急に流行し始めた新メタバースSNS「Bondee(ボンディー)」とは?基本的な機能と若年層(Z世代)に好まれる理由3つを徹底解説!
メタバースは近年マーケティング業界でも注目されています。しかし、実際身近にメタバースがあるかと問われると、まだ遠い存在のような気がしていた人も多いのではないでしょうか。
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この記事では、若年層とメタバースの距離を急激に詰めたメタバースSNS「Bondee」について紹介し、どのような理由で流行しているのかを徹底解説していきます。
利用者急増中のSNS「Bondee」とは?
Bondee(ボンディー)とは、Metadream社が開発し、2023年1月末から若年層を中心に利用者が急増している”メタバースSNS”です。
TwitterやInstagramのように誰でもフォローできるオープンなSNSではなく、LINEのようにQRコードなどを利用した招待を行うことでフレンドになるクローズドなSNSです。Bondeeのフレンドは上限50人に設定されています。
主な機能を以下に紹介します。
・アバター設定
自らのアバターの身体的特徴や服装を細かく設定することができます。
・ステータス更新
自らのアバターに取らせる動きを「ステータス」から選び、投稿します。メッセージや写真を添えて投稿したり、フレンドのステータスにいいねやコメントをしたりすることができます。
ホームタブでは、自分を含む全フレンドのステータス投稿が一覧で表示され、どのような行動をしているのか見ることができます。自分の取っている行動に近いものを選択して投稿する使用方法が一般的ですが、全く現実とは関係ない動きをアバターに取らせても全く問題ありません。大きな広場で、アバターが思い思いの行動をしているというイメージです。
・メッセージ
フレンドとDMをすることができる機能です。一般的なメッセージ機能だけでなく、ホームタブのステータスを押すと送れる「ねぇねぇ」機能で話しかけるきっかけをつくったり、DM内にある「やっほー!」ボタンを押してフレンドに写真の送信を要求することができたりします。
・アパート
自分だけの部屋をつくって公開し、フレンド同士で遊びに行くことができます。遊びに行った際は、メモを書き残してコミュニケーションを取ることもできます。
また、一覧表示をすることによって、フレンドの部屋を一望して楽しむこともできます。
・航海
アバターが一人で船に乗り航海する、というゲーム感覚の機能もついています。航海中には、ランダムでアイテムがゲットできたり、フレンド外のユーザーからの「メッセージボトル」を受け取って、フレンドになることもできたりします。
原則は友人同士の招待で成立しているSNSですが、この機能によって一人でもBondeeを利用することができます。
Bondeeが若年層に流行している3つの理由
Bondeeが日本の若年層に受け入れられ、流行している背景には、以下の3つの理由があると考えられます
①ゆるい繋がりの保持が可能
過去にSORENAでは、「ゆるい繋がりを保持するために位置情報を共有する若年層」に関して紹介しましたが、アバターをメタバース空間に表示するBondeeではさらに情報が削ぎ落とされた状態で相手の行動を確認することができ、ゆるく繋がることができます。
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例えば、学生のテスト期間は、Bondee上で友人たちが机に向かっている姿を見ることができます。そしてテスト期間が終わると、くつろいだり旅行に行ったりするアバターが増える様子を見ることができます。友人たちがどのように過ごしているかを、わざわざ本人に直接詳しく聞くことなく知ることができることがBondeeの一つの魅力だと言えます。
また、「ねぇねぇ」「やっほー!」などの機能によって、Bondee内でフレンドに話しかけようと思えば気軽に話しかけられる工夫が施されているので、コミュニケーションを取ることにも繋がっています。
②カスタマイズで自己表現が可能
SORENAでは過去に、若年層はカスタマイズなどの手段を使って手間暇かけて一点物をつくり、自分にしかできない自己表現を行うことで精神的充足感を得る(=エモ消費)ことを紹介しました。
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メタバース内で、自分のアバターや部屋を簡単にカスタマイズできることは、純粋に若年層にとって楽しい行為だと考えられます。実際大学生に聞き取りを行ったところ、約半数の人は、自分のリアルとは異なる髪色や服の系統でアバターを作成している印象を受けました。
③親和性の高いデザイン
既存のSNSにも、自らのアバターを作成し、それを使用したコミュニケーションを図るものがありました。しかし、それらがあまり定着することがなかったのにも関わらず、Bondeeが日本の若年層に受け入れられた理由の一つは、デザイン性にあると考えられます。
大学生に聞き取りを行ったところ、特に海外のSNSで作成できるアバターには派手な見た目なものも多く、抵抗感があるのに対し、Bondeeは優しくて可愛いデザインをしていて、惹かれたという意見がありました。
また、トレンドのファッションをアバターに反映することができるようになっており、土地や時代と親和性の高いデザインが採用されていると言えます。
BondeeのようなクローズドなSNSは、Instagramのストーリーズなどで誰かが招待QRコードを載せ、それを見た友人がアプリをインストールし、フレンド追加することで広まっていきます。この際、自分もBondeeを始めてみようと思う理由の一つが、招待QRコードの上部に描かれているキャラクターのデザインなのです。
まとめ
2023年1月末から大注目を浴びているメタバースSNS「Bondee」に対する理解は深まりましたでしょうか。
Bondeeは、自らのアバターや部屋を作成し、ステータス機能やアパート機能を用いて自分の状態や好きなものを表現し、そこを起点にコミュニケーションを取ることのできるSNSです。
そして、それは「①ゆるい繋がりの保持が可能」「②カスタマイズで自己表現が可能」「③親和性の高いデザイン」の3つの理由から若年層に流行していると考えられます。
今後は若年層に一番身近なメタバース空間として、企業PRの場としても活用される可能性があります。
ただ、まだ流行し始めてから1ヶ月も経っておらず、目新しさでBondeeを利用している人も一定数いるとも考えられます。Bondeeの利用が日本の若年層に定着するか、そしてメタバースと若年層はどのような関係を築いていくのか、今後注目してみてはいかがでしょうか。