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Zenlyサービス終了後はSnapchat・NauNau・whooの競争?!若年層(Z世代)が位置情報共有機能を使いたい理由2つを徹底解説!

MEDIA 2022.12.23

Image by vectorjuice on Freepik

Snapchat(スナップチャット)を運営する米Snapが、位置情報コミュニケーションアプリ「Zenly(ゼンリー)」のサービス終了を発表したことは、記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

位置情報を友人間で共有するという機能は、一部ユーザーの必需品にもなっている一方、馴染みがない人にとっては中々理解しづらい機能です。

Zenlyが2023年2月3日にサービス終了することを受け、この記事では今一度Zenlyが若年層にとってどのような存在だったのかをまとめ、位置情報共有アプリの今後について探っていきます。

Zenlyの機能

Zenlyのメイン機能は、友人間で位置情報を共有する機能です。共有しているユーザーの位置情報がマップ上に表示され、リアルタイムで確認することができます。相手のスマホ・アプリ起動情報からステータスマークが表示され、位置と共に相手の状態を確認することができるアプリです。

位置情報の共有に不安を感じる人もいるかもしれませんが、「ゴーストモード」にすると自分の位置情報を固定する「フリーズ」機能や、位置情報をぼかす「あいまい」機能が使用できるようになり、見られる情報をコントロールすることができます。また、これらの機能は、一部のフレンドのみに対して適応することもできます。

さらに、Zenlyは位置情報の記録という側面も持ちます。自分の行動履歴を記録し、自分だけが確認することができるので、旅行の思い出の保存などにも有効なアプリです。


(参考:zenly - your world - Apps on Google Play)

若年層のZenly利用実態

App Apeによると、2022年のZenlyユーザーの大半は10代と20代に集中しています。Zenlyを重宝するのは若年層であることがわかります。


(参考:10代のカリスマアプリ「ゼンリー」ユーザー数は過去最高なのに突然終了の理由)

また、マイナビティーンズラボの調査によると、Zenlyの10代の使用率は2019年時点で10.9%でした。


(参考:話題の位置情報共有アプリ「Zenly」女子高生はどんな使い方をしてるか調査)

2019年のデータ上ではアクティブユーザーは多くないように見えますが、App Apeによる2022年に行われた調査によると、ユーザー数は右肩上がりに推移しています。


(参考:10代のカリスマアプリ「ゼンリー」ユーザー数は過去最高なのに突然終了の理由)

不特定多数と繋がらず、仲間内のみで利用する閉鎖的なSNSであることを考慮すると、徐々に友人の紹介を通してアプリのユーザーが増えていったと考えられます。

実際にZenlyを使用する高校生・大学生に話を聞いたところ、アプリを使い始めるのは「友人といた時にZenlyが話題に出てみんなでインストールした」「既に使用している友人から誘われた」などがきっかけとして挙げられました。仲間内10人程度で使用する人が多く、同コミュニティ内でも使用したい人だけが使用しているとのことでした。そして、一度使い始めたら手放せなくなるという人が多く、Zenlyがコアなユーザーを獲得していたことが窺えます。

位置情報を共有するメリットとは?

位置情報を常に友人と共有しているのは、一見生きづらい環境にも思えます。もちろんそう感じる若年層もいる一方、そのデメリットを位置情報のオンオフで解消しつつ、上回るメリットを享受している若年層もいます。

位置情報を共有するメリットは、以下の二つにまとめることができます。

①タイパの向上:連絡する一手間を減らす

近年、若年層は「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識し、最小限の労力で最大限の成果を得ることを意識する傾向にあります。2022年に行われたITmediaによる調査では、タイパを「意識する」「どちらかと言えば意識する」を選択した大学生が62.7%にも上りました。


(参考:Z世代の過半数が意識している「タイパ」とは? 就活にも影響:最小の労力で最大の成果(1/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン)

位置情報を共有することは「一手間の連絡」をする時間を削減することができ、タイパを向上することに繋がります。

具体的には、以下のような利用シチュエーションがあります。

<待ち合わせ>

細かい集合場所を指定し、お互いが今どこにいるか連絡し合わなくても、相手の位置情報を見ることで待ち合わせすることができます。複雑な駅で待ち合わせた時、お互いの居場所の説明が難しい場合や、車で迎えにきてもらう時、相手とこまめに連絡が取りにくい場合などに有効です。

また、相手の遅刻状況を確認するのにも便利です。位置情報を確認して、家を出るはずの時間にまだ家にいれば、寝坊だと判断して電話で起こし、円滑に待ち合わせをすることができます。

<急な誘い>

相手の位置情報から相手の状況を把握し、相手が誘いに応じやすい環境にいると確認してから誘うことができ、迷惑にもなりづらいことがメリットです。

相手が家にいたら通話に誘ったり、相手が近くにいたらご飯に誘ったりするなど、事前にアポを取っていなくても位置情報を見ることでその誘いがしやすくなります。

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②ゆるい繋がりの保持

近年の若年層は、人との「ゆるい繋がりの保持」を意識しています。作業用通話・配信のように、会話に重きを置かずオンラインで繋がりっぱなしの状態をつくる文化が定着したことが代表的です。

位置情報共有機能は、友人が何をしているのか知りたいけどLINEで直接聞くまでもない時に有効です。ふとした瞬間に人の存在を感じることが大切だと考えられます。

他にも、行ったことのある範囲を表示する機能を用いて、旅行する度にその範囲が広がるのを楽しんだり、友人のスマホの充電残量を表示する機能を用いて、連絡が取れなくなる前に重要な連絡を済ませたり、位置情報共有以外の機能も上手に活用しています。

Zenlyサービス終了後はどうなる?

これまでで紹介したように、位置情報の共有は、若年層が生活をより良くするために仲間内で利用している機能です。

サービス終了に際して、ライトユーザーは位置情報共有アプリを離れる可能性もある一方、ヘビーユーザーは団体で別のアプリに移行することが予測されます。

Zenlyユーザーの流入先として今後注目しておきたいのは、以下の三つです。

①Snapchat

Zenlyと同社が提供する「Snapchat」は「Snap Map」という位置情報共有機能をもっており、Zenlyも公式にこの機能を推奨しています。Snapchatのメイン機能ではないものの機能が充実しており、位置情報の共有を目的にSnapchatをインストールする人も多くいると予想されます。

ただ、あくまでもSnapchatの一部なので、Snapchatのアバターがマップ上に表示され、見た目の印象が異なるだけでなく、ゴーストモードでは自分の位置情報が非表示になるという細かい機能の違いも見受けられます。


(参考:Snapchat - Apps on Google Play)


②NauNau

スタートアップのSuishow株式会社によるアプリ「NauNau」もZenlyの後継アプリとして注目を集めています。

「Zenlyの代わり」と銘打ち、アップデートを重ねながら、元Zenlyユーザーが求めている機能を続々搭載しています。そのため、UIもZenlyにかなり近いものとなっています。2022年12月にはApp Storeの無料アプリランキング1位も獲得し、今後が期待されるアプリです。



③whoo

NauNau同様、「Next Zenly」になることを掲げリリースされた株式会社LinQのアプリです。アップデートを重ねながら、Zenlyにかなり近いUIを実現し、元Zenlyユーザーの期待に応えています。

Android版のリリースに遅れを取っていますが、スムーズに動きやすいという意見もあり、今後が期待されるアプリです。


(参考:whoo-位置情報共有アプリ App Store)

まとめ

ここまで、サービス終了を発表したZenlyの機能とそこに若年層が感じていた魅力、そしてZenlyユーザーが今後どうするかを考察してきました。

位置情報共有をすることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、アプリの機能をうまく利用することでその危険や不快感を回避しながら、若年層は位置情報共有によって「①タイパの向上」「②繋がりの保持」の二つを叶えています。

Zenlyは友人同士の紹介を通じて、閉鎖的なSNSでありながら着実にユーザー数を増やし、コアユーザーにとっては生活必需品です。

そのため、サービス終了後もコアユーザーたちは似た機能を求めて、SnapchatやNauNauなどの別アプリに団体で移動すると考えられます。どのアプリがZenlyの後継アプリとなるかに今後要注目です。