HOME MARKETING 「解説」映えの逆張り!? 話題沸騰Berealから知る新しいSNSマーケティング

「解説」映えの逆張り!? 話題沸騰Berealから知る新しいSNSマーケティング

MARKETING 2024.03.28

Berealはなぜ流行ったのか?

InstagramやSnapchatなど多くの写真投稿アプリが登場し、それによって「映え」や「盛れる」といった言葉が頻繁に使われるようになりました。

これらのアプリの登場はZ世代で、大きな存在になり、キラキラした私生活を過ごしてその光景を投稿し、周りに認められたいという承認欲求を満たされる流れが加速していきました。

しかしその一方で、そういった流れに嫌気がさした層もおり、「写るんです」や「証明写真」ブームなど、加工をせずに自然な自分を表現する文化も同時期に広がりました。

両者を使い分けたSNSの二面性のうち、「ありのまま文化」から生まれたアプリの一つが「Be Real(ビーリアル)」です。
このアプリはリアルタイムの風景を加工せずにシェアするSNSアプリです。

BeRealがZ世代にウケている理由は、「映え」の逆張りのようなコンセプトとゲーム性だと考えられます。

Berealのルールとは

Be Realでは、撮影時にはインカメラとアウトカメラで同時に撮影されます。 そして通知が来たら2分以内に写真を撮影し投稿しなければならず、加工や編集は一切できません。 この独特なルールにより、友達とのリアルな瞬間を共有することができ、さらに、制限時間内に投稿するとその日は2回まで追加で投稿できるというゲーム的要素もあります。
参考記事:海外のZ世代に大流行中のリアルを曝け出すSNS「BeReal」とは?脱インスタ映えの経緯から、日本で人気になる理由を徹底解説!
投稿へのリアクションも独自で、「RealMoji」という自撮りスタンプを使い、友人とより親近感を感じ、またいいね数やフォロワー数は非表示で、周りの目を気にしない閉鎖的な空間が作られています。


Berealがどれだけ若者に浸透しているかのアンケート調査




このアプリは2020年にリリースされ、2022年には米AppleのApp Store Awardでベストアプリに選ばれるなど、日本でも注目されているBereal。 実際どれだけの若者に浸透しているかを調べるため、ユーザーの割合を多く占める大学生数名にアンケートを行いました。 アンケート結果を見ると、去年からアプリを使用した人が七割を占めていることがわかりました。
2023年 9月/12月流行調査 12月期において、前回の9月期に8位だったSNS「BeReal」が1位に急上昇しました。 この成績は、特に6月期から女性19~22歳のユーザーに支持され、徐々に他の年齢層でも人気を高めてきた結果と考えられます。

話題沸騰のBTS機能とは

最近では、「BTS」(Behind the Scenes)機能を活用した「投げリアル」が注目を集めています。
この機能は2023年の12月にリリースされました。
投稿が完成するまでの数秒間の動画を記録し、よりリアルな状況を伝えることができます。これは、iPhoneの「Live Photos」に似た機能です。

新機能がきっかけにBeRealの使われ方が変化している?

去年から流行っているこのBTS機能で、SNSで散見するようになり、SNSの拡散がさらに流行を後押ししたと考えられます。その裏付けとして、爆発的なダウンロード数を獲得した2023年12月に、「FXXKED UP」という音源にのせ、BTS 機能を画面録画し、TikTokに載せることが流行りました。
クローズドなアプリであるBerealが他のSNSで拡散される現象がなぜ起きているかというと、私生活をリアルに切り抜いた様子が華やかであるという事を、二面性で言う承認欲求の場に投下することが起きていると言えます。未だ、Z世代は、SNSの二面性の狭間を浮遊しているのでしょう。

映えないSNSと映えるSNSの同時並行のマーケティングになる

従来のSNSの文化に疲れを感じる人が増え、自分の素や個性を表現し合う文化が台頭している中、SNSはどのようなあり方になっていくのでしょう。
他のSNSの利用状況に関しては、BeRealの利用が増える一方で、InstagramやTwitterとは異なるコミュニティで使われている印象があります。
Instagramはセルフブランディングに重点を置く一方で、BeRealでは狭い範囲の友人とのコミュニケーションが中心で、素の自分を表現する場として使い分けられていると思います。
今後それぞれの分野を最大限活かす追加オプションが増加され、確立されて行くと言えます。現在二軸のベクトルの分かれ道に立っていると言っても過言ではありません。

本記事のまとめ

今話題沸騰中のBeRealがZ世代にウケている理由は、「映え」の逆張りのようなコンセプトだと考えられます。
Z世代トレンドからみて、彼らのSNSは「盛る」や「映える」といった文化を持ちつつ、「素」や「個性」を重視する傾向が見られました。
今後は、BeRealのが他のSNSにも影響を与えると考えられます。 SNS利用者は映えるだけでなく素や個性を重視する傾向が強まり、セルフブランディングと自己表現やコミュニケーションの二面生の狭間で過ごしています。
BeRealのようなSNSがさらに発展し、他のアプリも利用者のニーズに合わせた機能やコンセプトを追加することでSNS全体のコンテンツの多様化が見込まれるでしょう。