HOME MARKETING 「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」の違いとは?コスパ・エモ消費・自己表現を実現する「共創型サービス」を事例と共に徹底解説!

「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」の違いとは?コスパ・エモ消費・自己表現を実現する「共創型サービス」を事例と共に徹底解説!

MARKETING 2022.12.02

Image by Freepik

近年、ユーザーの多様なニーズに対応するために、既存の枠組みに囚われず、顧客1人1人に合わせた商品やサービスを提供することが注目されています。

その方法として注目されているのが「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」の三つです。似た意味にも感じるかもしれませんが、それぞれの特徴とその違いを見ていきましょう。

「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」の相違点と共通点

<パーソナライズ>
ユーザーの希望を基に、企業側が提供するものを選択すること。

<カスタマイズ>
企業が決めた選択肢の範囲内で、ユーザー側が自らの希望に合わせて変更を加えること。

<セルフサービス>
企業から提供された環境で、ユーザー側が思いのままに意思決定すること。

「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」は、どれだけユーザーの意志決定が商品やサービスに反映されているかが異なりますが、企業がユーザーに寄り添い、ユーザーと「共創」している点においては共通しています。

以前の商品やサービスには、ユーザーの視点が入り込む余地がありませんでした。ユーザー1人1人に合わせようとすると、企業側にコスト面で負担がかかってしまっていたからです。しかし、AIによるレコメンド機能を始めとした技術の発展に伴い、ユーザー1人1人に適応することが少しずつ可能になってきています。

本記事では、「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」をまとめて「共創型サービス」と称し、若年層マーケティングとの関係性を探っていきます。

若年層の消費行動と「共創型サービス」

以前SORENAでは、若年層が消費行動を起こすきっかけとして、以下の三つの条件を紹介しました。

①値段に対する内容のお得感があること
②精神的充足感を得られること
③自己表現ツールとして機能すること

▼詳しくはこちらの記事▼
若年層(Z世代)はコスパ重視でお金に対して保守的?!貯金したい若年層が消費行動を起こす理由とは|SORENA

共創型サービスはこれら三つを全て満たすことができます。

ユーザー1人1人の希望を商品やサービスに反映することで、「買い物を失敗だと感じる可能性が低い」「手間をかけてつくった気持ちになる」「自分のためだけのものを所有する」ことを叶えることができるのです。

若年層がまさに消費したくなるような特徴を持ち合わせる共創型サービスは、若年層との相性が良いと言えます。

では、実際どのような共創型サービスがあるのでしょうか。

共創型サービスの事例

<パーソナライズ>

・MEDULLA

MEDULLAは、5万通りの処方パターンから個人に合わせたヘアケア商品を提供する、日本初のパーソナライズヘアケアサービスとして若年層の間で認知を拡大しています。

公式サイトから無料の髪質診断を受けることで、自分の髪に合った成分のヘアケア商品を購入することができます。自分の髪に合った商品が届くため買い物に失敗する心配がなく、お金をかける価値がある、と若年層に感じさせる設計になっています。


(参考:MEDULLA(メデュラ))

・COLORIA

COLORIAは、1,000種類の香りの中から毎月自分の選んだ香水が届くサブスクサービスとして、若年層の中で認知を拡大しています。

公式HPでは所要時間1分の香水診断、公式LINEでは香りのコンセルジュサービスを展開し、結果に沿った香水の中から届けるアイテムを選ぶことができるようにしています。

これらによって、買い物に失敗しづらい安心感を与えつつ、自分らしい香りを纏い自己表現を実現する手助けになるような設計になっています。

▼併せて読みたい記事▼
COLORIAの事例から見る、若年層(Z世代)に刺さるサブスクサービスの特徴は「幅広いジャンルに対応」「コスパがいい」「広告感のない接点」の3つだと判明!?|SORENA


(参考:COLORIA (カラリア))

<カスタマイズ>

・CASIO G-SHOCK

2021年にCASIOは、耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”のスクエアデザイン5600シリーズをベースに、パーツを組み合わせることで約190万通りに腕時計をカスタマイズすることができる「MY G-SHOCK」というサービスを展開しました。

着用シーンや人物に合わせて唯一無二の腕時計をつくれるようにすることで、若年層が気軽に自己表現をすることができる設計となっています。

また、企業側が推奨する一つの利用方法として、「プレゼント」が挙げられています。贈る相手を想像しながら手間をかけてカスタマイズすることで、買い物を通して精神的充足感を得ることを促しています。


(参考:“G-SHOCK”のカスタマイズサービス『MY G-SHOCK』を開始 | 2021年ニュースリリース一覧 | CASIO)

・The Label Fruit

2022年、公式サイトからカスタマイズしたフルーツオレをオーダーし、店舗に受け取りにいく無人フルーツオレ専門店「The Label Fruit」が原宿に登場しました。商品の味だけでなく、ラベルもカスタマイズすることができ、自分だけのフルーツオレを作ることができます。

▼併せて読みたい記事▼
OMO型店舗や体験型店舗など、若年層(Z世代・ミレニアル世代)が求める新たな店舗の在り方を徹底解説!モバイルオーダーしないと受け取れないフルーツオレ店がある?!|SORENA

商品が写真映えすることも相まって、SNS上で唯一無二の自己表現をすることを若年層に促しています。


(参考:The Label Fruit)

<セルフサービス>

・セルフ写真館

近年、韓国発祥の「セルフ写真館」が若年層の間で流行しています。セルフ写真館とは、プロ使用の機材が用意されたフォトスタジオを、カメラマンがいない状態で自由に使える施設のことを指します。

用意された環境で思うままに高クオリティの写真を撮影することができ、手間をかけて写真をつくる精神的充足感が得られるだけでなく、唯一無二の写真を撮影することで自己表現を実現することができる設計となっています。


(参考:「韓国発のセルフ写真館」に日本の女子が夢中になっている「意外な理由」(道満 綾香) | マネー現代)

まとめ

ここまで、「パーソナライズ」「カスタマイズ」「セルフサービス」の三つの「共創型サービス」に関して解説してきました。

近年では、企業が一方的に商品やサービスを提供するのではなく、ユーザーの意識決定を基に提供されることが増加しており、ユーザーとの「共創」が求められています。

ユーザーの希望が反映されると、ユーザーはその消費にコストパフォーマンス(コスパ)を感じるようになったり、精神的充足感を得てエモ消費に繋がったり、自己表現の実現に繋がったりします。これは若年層が消費をするきっかけと合致しており、共創型サービスは今後若年層に人気になっていくと考えられます。

この記事で紹介された事例も踏まえ、今一度ユーザーと「共創」することについて考えてみてはいかがでしょうか。