HOME TREND 若年層(Z世代)トレンドの現代版「ギャル」とは?見た目は令和、マインドは平成そのままの「ギャル」をPR事例と共に徹底解説!

若年層(Z世代)トレンドの現代版「ギャル」とは?見た目は令和、マインドは平成そのままの「ギャル」をPR事例と共に徹底解説!

TREND 2022.08.02

以前SORENAでは若年層の間で今「レトロブーム」が起こっていると紹介しました。そして2022年上半期、レトロブームの中でも「ギャル」に対する注目が一気に増加しているのです。

ギャルがトレンドを総なめ?!

Z総研の調査によると、2022年上半期のZ世代トレンドランキングでは、「流行った言葉」の2位に「ぎゃる」が、「流行ったコト・モノ」の2位に「平成ギャル」3位に「ルーズソックス」がランクインしました。


(参考:『Z世代が選ぶ2022上半期トレンドランキング』をZ総研が発表!)

また、マイナビティーンズラボの調査でも、2022年上半期の10代トレンドランキングの「流行ったコト」2位が「ギャルピース」、「流行ったコトバ」1位が「ギャル、ちょーかわいい」、7位と8位が「$平成レトロ」と「#平成ギャル」、「流行ったモノ」1位が「ルーズソックス」という結果になっています。


(参考:【2022年上半期】ティーンが選ぶトレンドランキングを発表! | 若年層マーケティングの情報発信サイト マイナビティーンズラボ)

ここまで注目される「ギャル」とは何者なのでしょうか。

「見た目ギャル」は今ドキを装う

一般的に想起されるギャルは、つけまつ毛をバサバサ・前髪をシュシュでアップにした派手髪・カーディガンを腰巻き・ルーズソックスなどを身につけている人たちでしょう。トレンドアイテムに「ルーズソックス」が入っていることからも、ギャル像が完全に捉え直されているわけではないことが伺えます。

しかし、Instagramで「#平成ギャル」を調べてみると、黒髪でつけまつ毛もしていなさそうな若年層女子の投稿が表示されます。ギャルの装いをしていない時なら、厳しい校則でも怒られなさそうです。

現代のギャルたちは、ルーズソックスやシュシュを身につけ、カラコンやキラキラした加工で派手さを加え、ギャルピース(通常のピースの手を返したポーズ)をすることで、「装い」としてギャルらしい見た目を取り入れていると考えられます。

では、流行している「ギャル」とは見た目だけの話なのでしょうか。

目指しているのは「マインドギャル」

「マインドギャル」とは、以下のような強くポジティブなマインドのことを指します。現在流行しているのは「見た目ギャル」ではなく、むしろ「マインドギャル」なのです。


(参考:「ウチら可愛い、生きてるだけでえらい」Z世代が今“マインドギャル”に憧れる切実な理由 | Business Insider Japan)

なぜ「ギャル」になる?

ギャルの装いやギャルマインドの良さが再認識されている理由は、主に以下の3つが考えられます。

①レトロブーム

ギャルだけではなく、全体の傾向として現在「レトロブーム」が起こっていることが一つの理由だと考えられます。初めて接するのにどこか懐かしく感じる「平成レトロ」に魅力を感じる若年層に、ギャル文化も刺さったのではないでしょうか。

②社会情勢

コロナ禍が学生生活と被り、思うように行動ができなかった若年層も多いことでしょう。振り返ってみると、平成のギャルはバブル崩壊後の就職氷河期に社会人になる「ロスト・ジェネレーション」世代でした。

閉塞感を感じる社会情勢が重なり、強くポジティブな平成のギャルに現代の若年層の想いが共鳴したと考えることもできます。

(参考:なぜ今ギャルトレンド再来と言われているのか? | 電通若者研究部(電通ワカモン) 若者から未来をデザインする)

③価値観

現代の若年層からは、他人に媚びず自分のスタンスを持って生きる女性像がかっこいいとされており、女性が憧れるようなかっこいい女性を「ガールクラッシュ」と形容することもあります。

SNSが普及して他者と自分を比べる機会が多くなったからこそ、自分を持つことが重要となってきている時代になってきています。自分らしさを大切に、強くポジティブに生きるギャル像に憧れを抱く若年層も多いはずです。

「マインドギャル」のPR事例

・日経電子版 × kemio

マインドギャルの先駆者とも言えるkemioさんを起用した日経電子版U23割のCMでは、「みんなが読まないからって読まないの、ちょっと損してない?」という明るく強いメッセージを若年層に訴えかけるシーンがあります。

自分のスタンスを持ち、違うと思ったことに対してはハッキリ意思表明するマインドギャルの精神を反映し、若年層に「新聞を読むことがかっこいい」と思ってもらえるような工夫がされていると言えます。

(参考:kemio出演、日経電子版【U23割】CP「閉じてく自分を、広げ続ける。」)

・クロックス × とうあ

上述のランキングで流行った言葉にランクインしている「きまZ」の発端でもあるトレンドメーカーのとうあさんを、クロックスが「Love As You Are」キャンペーンで起用しました。

ありのままの自分を曝け出し、その面白さとポジティブさで若年層の人気を獲得しているマインドギャルのとうあさんと、クロックスの「ありのままの自分を愛して自分らしさを表現する」というコンセプトがマッチし、自分らしくカスタマイズ可能なクロックスをPRした事例だと言えます。

・ABEMA Prime × あおちゃんぺ

ABEMAの報道番組『ABEMA Prime(アベプラ)』は、コメンテーターにあおちゃんぺさんを起用。黒肌ギャルユニット「ブラックダイヤモンド」のリーダーも努める彼女の、報道番組内での若年層視点の素直な質問や的確なコメントには、SNS上の若年層から共感の声が多く寄せられています。

堅い雰囲気になりがちな報道番組に若年層が共感しやすいギャルなコメンテーターを起用することで、若年層の視聴者を獲得している事例だと言えます。

(参考:【男らしさ】昭和の“男性像“はもう古い?令和時代の価値観は“押しつけないこと” 時代が求める“男らしさ“って何?|#アベプラ《アベマで放送中》)

まとめ

ここまで、現代版のギャルについて解説してきました。

装いとして形式的な平成ギャルが残りつつも、時代の中心は平成ギャルの精神を引き継いだ「マインドギャル」であることがわかりました。

若年層の流行や価値観、社会情勢にそぐう「強くてポジティブなマインドギャル」の像を把握することは、若年層マーケティングをするにおいて必須となってくるでしょう。

今一度「ギャル」について考えてみてはいかがでしょうか。