HOME MEDIA 海外のZ世代に大流行中のリアルを曝け出すSNS「BeReal」とは?脱インスタ映えの経緯から、日本で人気になる理由を徹底解説!

海外のZ世代に大流行中のリアルを曝け出すSNS「BeReal」とは?脱インスタ映えの経緯から、日本で人気になる理由を徹底解説!

MEDIA 2022.09.16

海外のZ世代に大流行している「BeReal」とは?

BeRealは「リアルを曝け出す(直訳:リアルになる)」ことに特化した新感覚SNSで、2022年に海外で爆発的に流行しています。国毎にも差がありますが、BeRealは特にZ世代の女性に人気のアプリとなっています。

<月毎のBeRealダウンロード数>


(参考:Meet BeReal, Gen Z's new favorite app)


(参考:BeRealの累計ダウンロード数が1000万を突破 — 2022年第1四半期に前期比5倍の急増)

具体的には、アプリから一日に一回ランダムで通知が届いた際に、2分の制限時間内に写真を撮って送信しなければいけないという機能が主軸となっています。

撮影の際は外カメラと内カメラの両方が同時に起動し、フィルターがかけられない状態で撮影されます。そして、その写真を投稿しなければアプリ内で他のユーザーの写真を見ることはできません。

投稿の公開範囲は設定することができて、友達のみの公開も可能です。また、投稿は一日しか残らないようになっています。



面倒にも思えるこのSNSが、なぜ若年層に刺さっているのでしょうか。

「リアル」=無加工・無編集

まず、BeRealで求められている「リアル」とは何かを分析していきます。

以前SORENAでは、若年層には不完全なものこそがリアルだと捉える傾向があることを紹介しました。BeRealではその「不完全さ」をユーザーに投稿させるための仕掛けが二つあります。

一つ目は、撮影時にフィルターをつけることができない機能によって、自らの姿に手を加える「加工」を行わせない仕掛けです。

二つ目は、撮影までに時間制限を設けることで身の回りを整える時間も与えず、両側のカメラを起動させることで写したい部分だけを写させないことで、自らの姿を意図的に選別して発信する「編集」を行わせない仕掛けです。

BeRealでは「無加工」で「無編集」な姿を曝け出すことが求められているのです。

では、いつからこのような不完全でリアルな姿が求められるようになったのでしょうか。

「リアルを曝け出す」に至るまで

①映え人生期

2017年には流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」が意識されていた数年前は、写真アプリSNOWの流行で「画像加工」の力を借りたり、「映えスポット」の力を借りて見栄えの良い写真を投稿することが主流でした。

つまり、加工も編集もすることが正義だったのです。

インスタ映えが意識されていたのはInstagramのフィードが中心でした。同時期にリリースされたストーリーズは24時間で消えることから、映えを気にせず日常を気軽にそのまま表現することができる機能として広く活用されるようになりました。


(参考:【原宿】誰でも簡単♪インスタ映えする写真が撮れるスポット6選♡ | aumo[アウモ] )

(参考:【お台場】チームラボボーダレス 映えスポットBEST5|シティリビングWeb)


②エモ日常期

日常を気軽に発信する風潮はやがてフィード投稿にも現れるようになりました。

2018年頃からは、キラキラしていたインスタ映え重視の投稿とは対照的にも見える、フィルムカメラテイストの投稿が流行しました。

人工的に整えられて完璧な姿を投稿する”映え”とは異なり、日常の一部がラフに美しく切り取られることが”エモい”とされ、好まれるようになりました。

加工はされているものの、編集的な要素が少なくなったと言えるでしょう。


(参考:しゃぼん玉フォトでエモい写真を♡撮り方のコツアイディアを一挙大公開 - ローリエプレス)

(参考: 【流行】27歳女子ライターが教える「写ルンです」の撮り方講座 - ソレドコ)

▼併せて読みたい記事▼
「インスタ映え」にもトレンドが!?若年層(Z世代)の「インスタ映え」のトレンドの変化とは?|SORENA


③リアル露出期

そして今、BeRealの登場によって「リアル露出期」が来ています。

今までされていた加工も編集もされなくなり、人の飾らない姿に価値が見出されるようになってきているのです。


(参考:フィルターなしで日常の“リアル”を切りとる、新感覚の写真SNS「BeReal」は成功するか)

では、海外のように日本でもBeRealは流行するのでしょうか。

BeRealは日本でも流行する?

BeRealが日本で流行するためには「無加工」と「無編集」の二つが浸透する必要があります。

上述したように、①映え人生期から②エモ日常期に移行する際に編集的な要素は薄れました。しかし、加工的な要素は根強く残っており、女性を対象にした2022年の調査では、7割以上の人が顔の修正や加工を行っていることがわかっています。


(参考:ってか、顔写真は加工するほうが普通です!女子たちの秘密の「加工」事情。 - CanCam.jp(キャンキャン))

ただ、この風潮はひっくり返される可能性があります。実は、近いうちにInstagramにも類似した機能が追加される可能性が示唆されているのです。

(参考:インスタグラム、人気アプリ「BeReal」模倣版を社内でテスト - Bloomberg)

①映え人生期から②エモ日常期に移行した際、Instagramのストーリーズ機能が一つのきっかけとなったように、日本の若年層に既に広く利用されているInstagramが類似機能を導入することが、大きくトレンドを変えることに繋がるかもしれません。

まとめ

ここまで、リアルを曝け出すSNS「BeReal」の基本的な機能、Instagramにおける写真投稿の変遷、日本におけるBeRealの流行可能性を探ってきました。

BeRealは海外では爆発的に流行しているものの、日本ではまだ使用している人が多いとは言えないSNSですが、今後ユーザー数は増えていくことが予想できます。

実際にBeRealを使用している大学生に聞き取りを行ったところ、一緒にいた友人がたまたまBeRealの通知を受けて写真を撮りだしたことをきっかけにアプリを知り、使い始めたそうです。その後、自分から数名の友人にも教え、少人数の規模で使用しているということでした。

あくまでも身内の数人で日常を共有するという使われ方をするアプリとしてBeRealが地道に普及するのか、主要SNSの類似機能導入をきっかけに③リアル露出期が訪れ、爆発的な流行になるのか、今後注目していきたいポイントです。