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TikTok売れは「真似売れ」と「確認売れ」の2種類!?TikTokで若年層(Z世代)にバズる仕組みを事例とともに徹底解説!

MEDIA 2022.09.02

Image by upklyak on Freepik

TikTok売れとは?

TikTok売れとは、文字通り「TikTokを通して商品が売れること」を指します。

『日経トレンディ2021年12月号』に掲載された「2021年ヒット商品ベスト30」では1位にも選ばれ、話題となっています。


(参考:21年ヒット商品1位は「TikTok売れ」 動画で消費を動かす)

TikTokの利用方法

まず、「TikTok売れ」が発生しているTikTokとはどのような媒体なのでしょうか。

SORENAが2021年に行った調査では、高校生のTikTok利用率が2020年から10.0ポイントアップの43.5%と他世代よりも高く、特に高校生の間で年々人気が上昇しているアプリだということができます。

また、男女の利用率を比較すると男性が20.8%、女性が32.5%と、比較的女性に人気のSNSであることもわかります。


(参考:【2021年度SORENAリサーチ最新版】2020年~2021年にかけての若年層(Z世代)のSNS利用率の変化とは??)

また、2021年に行われた調査では、「TikTokの投稿がきっかけで実際に商品/サービスの購入や申込を行ったことがあるか」という問いに対して、10代は33%が「はい」と回答しています。他年代にその割合は劣るものの、TikTokのメインユーザーが10代であることを踏まえると、TikTok売れを左右するのは10代だと考えられます。


(参考:【TORIHADA】「TikTokをきっかけとする商品/サービスの購買行動調査」を実施!TikTokユーザーの3人に1人がTikTokきっかけで購買経験あり!?)

TikTokでバズコンテンツが生まれる仕組み

では、TikTokでなぜバズコンテンツが生まれるのでしょうか。

TikTokの大きな特徴として「おすすめタブ」があります。フォロー外のユーザーによる投稿が興味に合わせて流れてくるようになっており、気軽にフォロー外のコンテンツに触れることができます。

TikTok For Businessによると、人々は「未知への興味を渇望」しはじめており、自分に合っているかつまだ自分の知らない世界に触れられるようなコンテンツを好んで閲覧するとされています。おすすめで流れてくるコンテンツは、まさにその欲求を満たすものであると考えられます。


(参考:回答から回遊へ 興味で突破する時代の再来。)

実際、2021年にZ世代に対して行われたSHIBUYA109 lab.の調査では、TikTok内でおすすめを閲覧する人は、フォロー欄と比べて12.6ポイント多い28.0%となっていることが示されています。


(参考:Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査)

ユーザーが新しい情報を得るために「おすすめタブ」を好んで開くことをクリエイター目線から見ると、フォロワー外の人に簡単にリーチできる、と言うことができます。

TikTokは、おすすめに載ることができればフォロワーが少ない人でもバズコンテンツを生み出すことができるプラットフォームなのです。

TikTok売れする「バズり方」2選

そんなバズが生まれやすいTikTokにおいて、どのような消費行動が取られるのでしょうか。

TikTok売れする「バズり方」は主に以下の二つに分類できると考えられます。

①真似売れ

真似売れのケースでは、バスっている商品を真似して購入して、それを使って動画を撮影する人が増えることで売れます。

具体的には、お菓子や食べ物など、動画の一部として組み込みやすい商品であることがポイントです。ポイントは、商品の内容を紹介しているわけではなく、あくまでもそれを使用した動画であるという点なのです。

2021年にZ世代の女性に対して行われた調査では、SNSでバズった商品を購入したことが「よくある」「ときどきある」と答えた人は、合わせて80.2%に上ることが示されています。


(参考:「売り切れ前に買わなくちゃ!」 Z世代女子を中心に巻き起こっている「バズ消費」とは? | ウェブ電通報)

また、その裏には「売り切れが怖い」という心理があり、約半数の人が「欲しい商品が売り切れるのが怖くて、オンラインですぐに購入したことがある」と回答しています。


(参考:「売り切れ前に買わなくちゃ!」 Z世代女子を中心に巻き起こっている「バズ消費」とは? | ウェブ電通報)

バズっている商品の売り切れを恐れて購入し、便乗して動画を投稿することがさらなるバズを生む、という仕組みになっています。


事例①:地球グミ(プラネットグミ)

代表的なのは「地球グミ(プラネットグミ)」の事例です。パッケージを口で噛み、パキッと音と共に開封し、青くてもちもちしたグミを噛みちぎりながら食べ、青くなった舌を見せる、という動画が大流行しました。

リズム感が良く簡単なTikTokらしい動画構成が「真似売れ」を誘発したのではないかと考えられます。

@kageihina 流行りの#地球グミ 🌏#planetgummi ♬ オリジナル楽曲 - 景井 ひな

結果、「#地球グミ」の投稿は5億回再生を超え、10万袋以上が売れたことで一時的に商品が入手困難となりました。

(参考:TikTok売れとは?商品販売の成功事例と押さえるべきポイントを徹底解説)


事例②:ダイソーミニ洗濯機

ダイソーのミニ洗濯機も「真似売れ」でバズったものです。ミニ洗濯機の中にメイクブラシやパフ、マスクなどの洗いたい小物を入れて回すという構成の動画が大流行しました。

商品はあくまでもおもちゃの一種で、実用的な使用方法が紹介されているというわけではありません。しかし、300円と安く、使ってみると可愛いミニ洗濯機は、動画を構成するアイテムとして「真似売れ」を誘発したのではないかと考えられます。

@chichan.dhychan 100均でずっと売り切れだったミニ洗濯機ゲットできた‼️#カップル #ミニ洗濯機 #レビュー #商品紹介 ♬ Animal Forest Atomofu Kaze Heartwarming BGM(866215) - Yuumi Iida

②確認売れ

確認売れのケースでは、隠れた名品が紹介され、ユーザーがその内容を動画で確認し、多くの人が買うに値すると判断したものが売れます。

具体的には、化粧品や小説など、実際に手に取ってみるまで自分の求めているものかどうかがわかりにくいものが「確認売れ」しています。

近年、若年層を中心に「コストパフォーマンス=コスパ」や「タイムパフォーマンス=タイパ」を重要視する人が増えていると言われています。

実際2021年にZ世代に行われた調査では、「​​買い物にはコストパフォーマンスを求めますか?」という問いに対して93.3%は「ややあてはまる」「あてはまる」と回答しています。


(参考:無駄な買い物はしない約8割! ソーシャルネイティブZ世代の堅実消費)

また、2022年に全年代に行われた消費に対する意識調査でも、「失敗したくない」と言う項目に「あてはまる」「どちらかと言えばあてはまる」と回答した人は68.9%おり、「長い時間をかけ面白くないものは見たくない」「タイムパフォーマンスを意識している」人も多いことがわかりました。全体的な傾向としてタイパ意識の消費が行われていると言えます。


(参考:半数が消費行動を「変える」意向/“タイパ”意識した商品選びが肝に【タイムカレント調査】:MarkeZine(マーケジン))

買い物に失敗してお金と時間を無駄にしたくない若年層にとって、内容が確認できて、ある程度の内容が保証されている商品に出会うことが購買動機となるのです。


事例①:残像に口紅を

代表的なのは『残像に口紅を』という本です。小説を紹介しているけんごさんによって投稿された、「もしこの世から『あ』という言葉が消えてしまったら」という問いかけから始まる一本の30秒動画が爆発的にバズりました。

確実に面白いだろうという安心感と、詳細が気になる期待感を持たせる紹介が「確認売れ」を起こしたのです。

@kengo_book 一年前に投稿して、960万回再生された動画をもう一度! 7月27日は『残像に口紅を』紹介記念日です📚 #本の紹介 #おすすめの本 #小説 #小説紹介 ♬ オリジナル楽曲 - けんご📚小説紹介

結果、30年以上も前に出版された本なのにも関わらず6回重版がかかり、計11万5千部の増刷が決定しました。

(参考:https://www.asahi.com/articles/ASPCD6CQQPC4UCVL03F.html)


事例②:桃セラミド ピールオフパック

桃セラミド ピールオフパックも「確認売れ」した商品だと言えるでしょう。透明なジェルを顔に塗り、乾かして剥がす動画がバズりました。

使い方が斬新で、ユーザーが使用方法や実際の効果が気になるところを、実際に使用している姿が動画でわかりやすく紹介されたことが「確認売れ」に繋がったと考えられます。

@masiro111 これで産毛もなくなる#垢抜け #桃セラミド #産毛処理 #美容女 ♬ Kirari - Chorus 2 - Fujii Kaze

「確認売れ」のバズり方をするとコメント欄に実際に購入した人の口コミも書かれ、バイラルマーケティングにも繋がるのが特徴です。

まとめ

TikTokは特に高校生や女性のユーザーが多い、現在伸び盛りのプラットフォームです。おすすめタブによってバズが生まれやすい仕組みになっていることから、TikTok売れが発生し、注目を浴びています。

その中でも、商品の売れ方は①真似売れ②確認売れの二つに分かれると分析しました。

今後TikTokで訴求をする際、バズらせたいものがどちらに該当するか考えてみてはいかがでしょうか。

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