若者(Z世代)の好きな街に変化!グルメの街、新大久保に女子高生が集まる理由とは?
若者の街、女子高生の街というと「渋谷」「原宿」を真っ先に思い浮かべる人が多いのではないのでしょうか?
特に原宿竹下通りといえば、若者を中心にいつも人で溢れていました。そんな竹下通りが最近元気がないといわれています。歴史ある雑貨店やクレープ店などの閉店が相次ぎ、閉まったままのシャッターが目立ちます。
竹下通りとは対照的に、新大久保はコスメ・グルメ・雑貨店など多くの韓流ショップが立ち並び、コロナ禍前と変わらず女子高生で賑わっています。
参考:東洋経済オンライン「女子高生が竹下通りから新大久保に流れるワケ」
なぜ、若者は新大久保に集まるのでしょうか?
本記事では、若者の街の変化と背景について解説していきます。
女子高生の好きな街1位は渋谷。2位は?
15歳~24歳の女性400人を対象におこなった、SORENA独自のアンケート調査によると「好きな街・行ってみたい街」の結果は下記になりました。
※若年層マーケティングメディア「SORENA」調べ
女子高生1位の「渋谷」はイメージ通りと感じる方も多いと思いますが、次いで2位は「新大久保」という結果になり、「原宿」よりも人気が高いことがわかりました。
実際、新大久保は食べ歩きに最適なファストフードやスイーツのお店にはじまり、韓国コスメのショップなどがひしめき合い、若い女の子達で街があふれています。
イケメン通りと呼ばれる韓流スターショップも、多くの女の子たちで賑わっています。
※フリュー株式会社「GIRLS’TREND 研究所」調べ
過去の「女子高生の街といえば?」というアンケート結果では、平成8年はギャルブームの影響で「渋谷」が圧倒的人気、平成元年と平成30年では「原宿」が1位になっています。
30年以上もの長い間、原宿は女子高生に絶大な人気を誇っていました。
新大久保人気の背景
第1次韓流ブーム新大久保が最初に注目を集めブーム化したのは2003年頃です。
ドラマ『冬のソナタ』がきっかけとなり、中高年女性のあいだで主演のペ・ヨンジュンが「ヨン様」と呼ばれ大変な人気になりました。この頃から新大久保のコリアンタウン化が進んだといわれています。
このブームはまだ中高年の女性が中心でした。
第2次韓流ブーム2010年頃がK-POPをメインとする第2次韓流ブームの始まりでした。
「東方神起」「KARA」「少女時代」を筆頭に、K-POP人気が高まっていきました。
この頃から「サムギョプサル」や「トッポギ」といった韓国の定番料理を求め新大久保に向かう人が増え、店舗数も拡大していきました。
第3次韓流ブーム第2次以降ブームも下火となり、新大久保が閑散としてしまった時期もありました。新大久保の店舗数も全盛期から約4割減った時期もあったといわれています。
しかし、2017年頃から韓国グルメが注目を集め始め、若い女の子を中心に韓国ファッションや韓国コスメ人気も高まっていきました。
第4次韓国ブーム第3次ブーム冷めやらぬ中、ドラマ『愛の不時着』が大ヒットしました。JC・JK流行語大賞2020上半期モノ部門でも第5位にランクインしています。
また、モノ部門1位の「Nizi project」も韓国のプロデューサー発のアイドルプロジェクトであり、若年層の韓国カルチャーへの関心の高さが伺えます。
新大久保が若年層の人気を得た要因は?
1.コスメ・ファッション
第3次韓国ブームの2017年頃から、10代-20代前半女性向けファッション誌で「オルチャンメイク」や「韓国っぽ」といったワードが出てき始めました。
これまではドラマやK-POPがブームの火付け役になっていましたが、韓国コスメやファッションが注目され始めたことでブームは若年層の女の子が中心になっていきます。
2017年のJK・JC流行語大賞モノ部門では3位に韓国発コスメレーベル「3CE」の「ウユクリーム」がランクインしており、牛乳型のかわいい見た目で人気を集めました。
その他「ETUDE HOUSE」「STYLENANDA」といったピンクを基調としたSNS映えするコスメが若い女の子に大人気となっていき、ショッピング目的で新大久保を訪れる若年層が増えていきました。
2.グルメ
第2次韓国ブームの頃から「サムギョプサル」や「トッポギ」などのグルメが人気でしたがまだまだ若年層が新大久保に食べに行くほどではありませんでした。
しかしコスメ同様2017年-2018年頃から、「チーズタッカルビ」や「チーズハットク」等の韓国グルメが注目を集め始め、韓国フードのお店が並ぶ新大久保が若い女の子で溢れていきます。
この頃は「インスタ映え」というワードが一般化した時期と丁度重なり、SNSで映える食べ物を若年層が求めていたことがブームの要因であると考えられます。
コスメ、グルメともにここまで若年層からの支持を得たのは「インスタ映え」が大きく関係していることがわかり、新大久保人気とSNSはとても関わりが深いといえます。
まとめ
ブーム後一時は閑散としていた新大久保も、今や女子高生の好きな街として原宿を凌ぐ人気を誇っています。
もともとは中高年の女性に人気があった韓国カルチャーですが、K-POPから火が付きグルメやコスメ・ファッションにも注目が集まり、人気は若年層に広がっていきました。
新大久保にはフォトジェニックなカフェやフードも多く、若年層の「インスタ映え」文化とうまくはまったことも新大久保人気の要因のひとつといえます。
「インスタ映え」にもトレンドが!?若年層の「インスタ映え」のトレンドの変化とは?竹下通りの名物店や歴史ある雑貨店などの閉店が相次いだ原宿ですが、今後また女子高生の街として返り咲くことはあるのでしょうか。
若者の流行は移ろいやすく、その時の時代背景を映す鏡であるため次はどのようなものや街が流行するのか、今後の動向に注目です。