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「ゴープコアファッション」「自然界隈」 なぜ若者はアウトドアに魅了されるのか?

TREND 2024.05.31

「コア」とは?

1990年代に流行した「アムラー」「ヤマンバギャル」「アユ」のように、一世を風靡するようなファショントレンドの波は小さくなっています。

その代わり現代のファッション業界では、マイクロトレンドという小さな界隈(カルチャー)ごとに流行やファッションスタイルがあるという形に変わってきました。

バレエコアや、ルームコア、オフィスコアというのもそれらの一つです。

バレエコアについてはこちら

参考記事1:https://www.vogue.co.jp/fashion/article/us-vogue-core-fashion-explained

参考記事2:https://stylehaus.jp/articles/26659/

今流行している「ゴープコア」

そんなマイクロトレンドの一つとしてコロナ禍以降流行しているのが、「ゴープコア」です。

ゴープコアのゴープとは、”Good old raisen and peanut”の略で、レーズンやピーナッツという登山時に愛好されるおやつから、アウトドアなスタイルを指しています。

今までは登山や自然が豊かな場所に行く際を中心に用いられてきた服装や小物を、街中でのファッションスタイルに落とし込んでいるのが、ゴープコアの特徴になります。

自然界隈とは?

ゴープコアの流行は、「自然界隈」の流行と密接に関わっています。

自然界隈とは、川や山などの自然を好む界隈のことです。SHIBUYA109 lab.がZ世代女性を対象に実施したアンケートでは、自然界隈がモノ・コト部門でトレンド予測入りするなど、若者を中心に注目が集まっています。

参考記事:https://www.shibuya109lab.jp/article/231205.html

身軽な装いで自然豊かな場所を訪れる若者の様子が、TikTokやInstagramなどのSNSで数多く投稿されています。

自然界隈の流行は、三つの要因があると考えられます。

1.コロナ禍の鬱屈した日々からの解放

コロナ禍により、外出自粛が余儀なくされ、授業がオンライン形式に移行するなど、長い時間を自宅で過ごすことを経験した今の若者にとって、自然の壮大さや開放感が他の世代に比べてより魅力的に映っていると考えられます。

2.非日常感

デジタルネイティブで、ほとんどのことをオンラインで済ませてしまうZ世代にとって、自然の壮大さは非日常感を感じさせてくれる目新しい存在になっていると言えるでしょう。

3.コスパの良さ

自然豊かな場所に足を運ぶことは、コスパやタイパといった効率の良さを求める傾向にあるZ世代にとって、金銭的・時間的にも気軽に非日常体験ができるという意味で、効率的な遊びとして浸透していると考えられます。

これらの自然界隈の流行の波もあり、街中でアウトドア用品を着用するゴープコアが、多くの若者から人気を集めているのです。

ゴープコアファッションを代表するブランド

ゴープコアは、高品質で機能性の高いアウトドア製品を街中で着こなすことに意味があるとされています。

そのため、プチプラブランドでの代用が難しい上、ブランドのロゴやデザインにも意味があるために、アウトドアブランドの人気が高まっているのです。

ARC’TERYX、Patagonia、THE NORTH FACEなどの有名アウトドアブランドは、ゴープコアの流行の波に乗り、売り上げを着実に伸ばしています。THE NORTH FACEは、2023年7月に10四半期連続で2ケタの増収を達成したと言われています。

参考記事1:https://digiday.jp/modern-retail/gorpcore-brands-are-becoming-more-mainstream/

参考記事2:https://www.vfc.com/news/press-release/1818/vf-corporation-reports-first-quarter-results-and-maintains

若者なりのゴープコアの楽しみ方

ゴープコアをファッションに取り入れる上で、若者にとってネックになるのは、アウトドア製品の値段の高さです。有名アウトドアブランドの製品は高価格で販売されており、若者にとってはアウトドア製品で全身を揃えることが難しいと考えられます。


そんな中で多くの若者が行っているのが、小物のみアウトドア製品を取り入れる方法です。

靴、バッグ、帽子などのアウトドア製品のみを取り入れ、自分のファッションにゴープコアをミックスしていく様子が多くの若者に見られます。


サロモンのトレイルシューズ


メゾン・キツネのカモフラ柄のボディバッグ

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アークテリクスのニット帽

夏に向けてゴープコアはどう変化する?

ジャケットやニット帽などといった、冬用アイテムが主軸となっているゴープコアですが、夏に向けてどう変化していくのでしょうか。

ゴープコアは、コロナ禍からの時間の経過や新たな「コア」の出現により、「流行」は終焉を迎え、スタイルや嗜好の一つとして確立されていくのではないかと考えられます。

また、オンラインやデバイスを使っての生活が当たり前になった今、「自然を想起させるモノ」は私たちの生活と対をなすものとして、ファッションやライフスタイルに様々な形で継続的かつ積極的に取り入れられていくと考えられるでしょう。

参考記事: https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/fashion-ja/gorp-techwear-sportswear-kiko-kostadinov-fffpostalservice-pet-tree-kor?lang=ja

まとめ

コロナ禍やデジタルネイティブという背景を持つZ世代に流行るべくして流行ったと言えるゴープコア。

それらの取り入れ方も、無理をしない形で取り入れるというスタンスにおいても、Z世代らしさが現れていると言えるでしょう。

多くの人が、自然を自らのライフスタイルに取り入れ始めた今、次にはどんなファッショントレンド出現するのでしょうか。