TikTok活用法(ビジネス)ーAmazon美容商品のブランド認知と売上アップ【海外事例】
新型コロナウイルスの渦中、オンラインショッピングへの注目度は飛躍的に高まり、業界のリーディングカンパニーであるAmazonが、消費者にとってより身近な存在になったことは言うまでもありません。
Amazonにおいて、ビューティー系は近年特に注目を集めているジャンルです。
その美容系商品をPRする場として、TikTokがそのポテンシャルを発揮し始めています。
Z世代や女性に絶大な人気を誇っていることとも相まって、TikTokが美容系商品のPRに最適なプラットフォームとして注目され始めているのです。
ビューティー部門を重視するアマゾン
2018年5月に行われた、BeautyX Retail Summitで「私たちは、インディービューティーをとても重要視している。」と述べたことからも分かるように、Amazonはここ数年間、美容部門、特にインディービューティーショップの活性化に力を入れてきました。
One Click Retailの調査によると、2018年の第一四半期には、Amazonの美容部門総売上は9億ドルに達したそうです。
そこからさらに成長していることを考えると、現在の総売上は9億ドルをゆうに上回っていることでしょう。
その影響もあってか、独立系のものをはじめ、ビューティーブランドは次々とAmazon内に公式ストアを立ち上げています。
Z世代に人気なアマゾン、TikTok
AmazonとTikTokは共に、Z世代、なかでも女性に人気です。
リテール業界に精通したデジタル広告エージェンシー、CPCストラテジーが2019年に行った調査(THE 2019 AMAZON CONSUMER SHOPPING STUDY)によると、Z世代女性のうち72%が、新しい商品を見つける際にAmazonを使っていたことが分かっています。
また、投資銀行のPiper Jaffrayが同年、10代の若者を対象にアメリカで実施した調査では、Amazonは美容業界で5番目に人気のある販売チャネルだったそうです。
TikTokがZ世代に人気なことは言わずもがなですが、実際にTikTokのユーザー層を見ると、18歳〜24歳が42%、次いで13歳〜17歳が27%と、ユーザーが圧倒的に若年層に偏っていることが分かります。
また、ユーザーの男女比は、女性6割:男性4割で、特に女性人気の高いSNSだといえるでしょう。
TikTokはなぜブランド認知拡大に有効なツールになったのか
TikTokは2019年から、クリエイターの動画をインフィード広告にするものなど、様々なソーシャルコマース機能をテストし、展開しています。
2019年夏にはハッシュタグチャレンジプラス機能を発表し、企業は、自社やクリエイターの動画にECのハッシュタグをつけることができるようになりました。
また、2019年末には、クリエイターの動画にECサイトがリンクできるという機能のテストを始めています。
SNSインフルエンサーとの提携が、ブランドの認知拡大や売り上げ向上を助けることは周知の事実です。
実際、2019年9月に実施されたGlobalWebIndexの調査では、米国と英国のミレニアル世代のうち20%とZ世代のうち22%が、SNSでインフルエンサーや芸能人が勧めているのを見たあと、その商品を購入していることが分かりました。
そのため、ユーザーをECサイトへ誘導しやすい環境が整っているTikTokは、ブランド認知拡大、ひいては商品の売り上げ向上に適したツールであるといえるでしょう。
(事例)TikTokで、アマゾン美容商品の認知・売り上げを伸ばす
韓国系ビューティスタートアップ、ミミボックス(Memebox)は、TikTokの可能性にいち早く目をつけた企業の1つです。
同社のブランド、アイデューケア(I Dew Care)とアイムミミ(I’m Meme)のTikTokアカウントにはそれぞれ、Amazon公式ストアのリンクが貼られており、どの動画にも、人気のハッシュタグ#amazonfindsが付いています。
@idewcare Who wants to scoop me up? 😘✨💋 ##idewcare ##kbeauty ##amazonfinds ##ultabeauty ##oddlysatisfying
♬ original sound - idewcare
Glossyによると、両ブランドとも、2020年1月ごろにAmazon内に公式ストアをオープンし、TikTokの利用をはじめたそうです。
ペイド広告もハッシュタグチャレンジも行なわなかったそうですが、I Dew Care公式アカウントはすでにTikTokで38万人のフォロワーを獲得しています。(2020年6月現在)
現在、ECサイトのリンクを直接TikTok動画に埋め込むことはできませんが、中国版TikTokのドウイン(抖音)の動画にはコマースボタンが埋め込まれており、企業はそこからアリババのTモール(天猫)などへユーザーを飛ばすことができます。
そのため、TikTokが将来、世界各国で同様の機能をリリースする可能性は大いにあります。
まとめ
Amazon絡みのビューティコンテンツはTikTokでとても人気で、#amazonfindsの付いた動画は、2020年6月現時点で7億2000万回以上試聴されています。
やはり、TikTokはこれから美容系商品のPRに一役買う存在となりそうですね。
そして、TikTokを使って認知拡大や売り上げ向上を図ることができるのは美容ブランドだけではありません。
TikTokを使ったビューティー系企業のPR戦略を参考にすれば、他の業種でも、SNSのマーケティング機能をより有効に使う方法が見つかるかもしれないからです。
TikTokをはじめとするSNSは、刻々と進化を遂げています。
「鉄は熱いうちに打て」という諺にもあるように、期を逃さないよう、TikTokのような新しいものを積極的に取り入れてみる姿勢も大切かもしれませんね。
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