K-POPのグループの流行から見る今のZ世代女子の憧れとは？BLACKPINK・ITZY・aespaなどが象徴の「ガールクラッシュ」が人気の理由と企業がPRを行う時のポイントを、事例と共に徹底解説！
「ガールクラッシュ」という言葉をご存知でしょうか。それはZ世代女子の「憧れの姿」を表す言葉です。
「家庭的」「女子力が高い」「萌え系女子」など、それぞれの時代やそれぞれの世代に憧れの女性像があるものです。そして今、Z世代と呼ばれる若年層の女性の間では「カッコいい女性」が憧れの対象となっています。「可愛い」でも「セクシー」でもなく、従来の理想の女性像とは一味違うのが「ガールクラッシュ」なのです。
企業が消費者に訴求する方法として「憧れ心をくすぐる」方法があります。Z世代女子の憧れる姿を把握し、正しくアプローチできるようになれば、Z世代の女子の心を掴むことができます。
この記事では「ガールクラッシュ」の意味や人気の理由、企業がPRを行う時のポイントを事例と共に解説していきます。
ガールクラッシュとは？変遷と人気の理由
「ガールクラッシュ」とは「女性が憧れるようなカッコいい女性」を意味し、そのような女性像を体現するアーティストにも使われる言葉です。韓国発祥の「ガールクラッシュ」は、K-POPの人気と共に日本でも浸透し、ガルクラと訳されるほどです。
日本のZ世代が個性・自分らしさを大切にする傾向にあり、他人に媚びず自分のスタンスを持って生きることがカッコいいとしていることからも、ガールクラッシュが流行するのは妥当だと考えられます。
ガールクラッシュという言葉は韓国に2010年頃からあり、「カッコいい」ガールズグループがコンセプトの2NE1がその代名詞として活躍していました。韓国ではそれまで「可愛い」か「セクシー」がコンセプトのアーティストが多かったところ、少しずつ傾向が変わり始めた時期だったのです。
(参考：BLACKPINK、MAMAMOOなど。K-POPの“ガールクラッシュ”に見る、多様性 – THE FIRST TIMES)
火付け役となったのは、2NE1所属のYGエンターテインメントの後輩であるBLACKPINKでした。2017年には日本デビューを果たし、2021年末には公式YouTubeの登録者が7000万人を突破しアーティストで世界一位となり、日本人女性からの支持も厚いです。
(参考：BLACKPINK、YouTube登録者数7000万人突破 アーティストで世界1位に - モデルプレス)
以降、2010年代後半からガールクラッシュ系グループが増加し、直近3年ほどはほとんどのグループがこれに該当します。
女性が女性を「推す」時代
女子高生・女子大生に行われた調査では、一部項目には劣るものの、日韓の女性アイドルを推す女性も比較的多いことがわかります。同性の「推し」は異性の推しとは異なり、自分自身のロールモデルになりやすいです。そのため、男性とは別の方向でPRに活用されていくでしょう。
(参考：女子大生・女子高生の9割以上に「推し」がいることが判明！女子学生マーケティング集団「Trend Catch Project」が「推し活」に関する調査結果を発表 - 産経ニュース)
ガールクラッシュで訴求する事例
・CLIO(クリオ)×aespa(エスパ)
「自分に自信を持たせてくれるメイクアップブランド」をスローガンとする韓国コスメブランドCLIOは、ガールクラッシュ系アイドルグループの新星「aespa」をブランドの新ミューズに抜擢しました。カッコいい女性像を押し出すことでブランドコンセプトを体現し、メインターゲットとなる若年層女性へ訴求しました。
(参考：韓国コスメブランド「CLIO」、待望の新アイパレット登場！新たなブランドニューズは人気ガールズグループ「aespa」｜株式会社クリオのプレスリリース)
その話題性もあり、2021年下半期に流行ったコスメランキングでは3位(2020年は7位)を獲得しました。
(参考：『Z世代が選ぶ2021下半期トレンドランキング』をZ総研が発表！)
・ポケモン×ITZY(イッジ)
2021年に発表されたネクストトレンド予想にも入っているガールクラッシュ系アイドル「ITZY」がポケモンとコラボを発表しました。
(参考：『Z世代が選ぶ2021下半期トレンドランキング』をZ総研が発表！)
ゲームのPRにガールクラッシュ系のアイドルを起用することで、ボーイッシュなイメージがあるゲームにジェンダーレスに楽しめる印象を与え、ITZYに憧れるような女性も参入しやすくする意図もあると考えられます。
(参考：Official TV Ad "WANNABE A LEGEND" Edition｜Pokémon Legends: Arceus - 30 sec. ver.)
・Y2Kファッション
2021年年末のネクストトレンド予想にも入っている「Y2Kファッション」は2022年春夏のトレンドになると言われており、今後様々なブランドが取り入れていくと考えられます。
Y2Kファッションとは2000年代に流行ったファッションのことで、BLACKPINKをはじめとするガールクラッシュ系K-POPアイドルの衣装にも見られるようなミニ丈スカートとボリュースニーカーの組み合わせなど、派手目でヘルシーな肌見せをする服にメンズアイテムを組み合わせジェンダーレスに仕上げ、自己主張を印象付ける装いが特徴です。
「可愛い」も「セクシー」も狙わず「かっこいい」女性像を目指すガールクラッシュのビジョンと合致するスタイルです。
(参考：Z世代がハマる「Y2Kファッション」って？ 20年ぶりに復活、受ける理由（宮田理江） - 個人 - Yahoo!ニュース)
(参考；2000年代ファッションがリバイバル！ Y2K（Year 2000）セレブと最新アイコンの共通点を徹底比較)
・LUX(ラックス)×水原希子
「スタンスを持っていること」でZ世代からもかっこいい女性として名前が上がり、日本でInstagramのフォロワー数4位を誇る水原希子さんを、シャンプーに代表されるトータルビューティーケアブランドであるLUXがアンバサダーに起用しました。
(参考：Z世代にとって、かっこよさは外見よりも、内面重視。 | AdverTimes（アドタイ） by 宣伝会議)
全ての女性が自信を持ってなりたい自分への一歩を踏み出す勇気に溢れた社会を目指すLUXの新ビジョン公開に合わせて「BRAVE(=勇敢)」な女性の象徴として水原希子さんを起用しました。これもまさにガールクラッシュに沿っている訴求方法と言えるでしょう。
(参考：水原希子、“BRAVE”な女性を体現 新生LUXのブランドアンバサダーに起用)
まとめ
Z世代女子が憧れる女性像である「ガールクラッシュ」についての理解は深まりましたでしょうか。
他人に媚びず自分のスタンスを持って生き、「可愛い」も「セクシー」も狙わずジェンダーレスに「カッコいい」女性こそが「ガールクラッシュ」であり、今後企業が若年層の女性を惹きつけるにあたって念頭に置かなくてはいけない「女性の憧れの姿」なのです。
今後のPR施策に活かしてみてはいかがでしょうか。
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