【SNS運用担当必見】デジタル移行が進む雑誌Seventeen(セブンティーン)の事例に学ぶ、SNSの使い分け方完全ガイド!!
Instagram(インスタグラム)、Twitter(ツイッター)、LINE(ライン)、TikTok(ティックトック)、YouTube(ユーチューブ)は若年層にリーチできる5大SNSと言ってもいいでしょう。マーケティングリサーチ第1弾|若年層(Z世代とミレニアル世代)のSNS利用率|SORENA|若年層マーケティング専門メディアによると、この5つのSNSは若年層による利用率のトップ5であり、YouTubeとLINEは性別や年代関係なく、Twitterは特に大学生に、Instagramは特に女性に、TikTokは高校生に人気のSNSです。
若年層はSNS上の情報に敏感で、使うSNSが多ければその分たくさんの人にコンテンツに触れて情報を得ています。そのため、複数のSNSを使用して情報発信をすることで、若年層にリーチすることが可能です。
しかし、SNS毎に性質は異なり、それぞれの特性を理解した上で運用しなければ、手間とコストをかけて運用しているのにも関わらず最大限の効果を発揮することができません。実際、SNSをどう使い分ければいいかわからず、悩んでいるマーケターの方も多いのではないのでしょうか。
SNSを巧みに使い分けて雑誌の世界観を若年層に届けている事例として、女子高生なら誰しもが知っている雑誌「Seventeen」のSNS運用事例を紹介します。月刊誌の終了が発表され、今後デジタル上での展開を考えているSeventeenの若年層にアプローチするSNS活用術を見ていきましょう。
SeventeenがSNSを運用する目的
まずはSNSの運用する目的がはっきりしていなければいけません。「SNSでのPRを通じて商品をたくさん手に取ってもらいたい」「SNSに投稿することでウェブメディアにアクセスしてもらえるきっかけを増やしたい」など、それぞれの目的があると思います。
Seventeenの大元の狙いは「SNSでのPRを通じて雑誌を手に取ってもらいたい」です。そしてそのためにも、Seventeenからリリースされているアプリ「ST channel」を使ってもらえるようにSNSで積極的なPRを行っています。
図示すると以下のようなフローになっています。
SNSの使い分け方を解説する前に、まず「ST channel」とは何かを軽く解説します。
ST channel って何?
ST channel by Seventeen
Seventeenは雑誌とは別に、女子中高生向けのトレンド情報アプリ「ST channel」を運営しています。雑誌の撮影オフショット動画やトレンド記事の視聴、Seventeenモデルや他のユーザーとの交流、等の機能があります。雑誌の試し読みもアプリからできるようになっています。
↑試し読みページ
SNSの使い分け方
Seventeenは以下の5つのSNSを使い分けています。
以下、投稿内容・投稿文・ハッシュタグを中心に使い分け方を詳しく解説していきます。
Instagram: 世界観重視でエンゲージメント率を高く
トップ
ST channelのリンクをbioに貼っています。トップを見ると「映え」る写真が綺麗に並べられていて、雑誌Seventeenの世界観が伝わるようになっています。Instagramは画像・動画投稿を主体としたメディアなので、世界観を活かして視覚的に訴求していると考えられます。
Instagramはいいねや保存などのエンゲージメントが増えることでおすすめ(検索タブなど)に出やすくなり、より多くの人に見てもらえるような仕組みになっているので、若年層が魅力的に感じる画像を載せる必要があるのです。
フィード
ハッシュタグは #Seventeen○月号 #Seventeen #セブンティーン #モデル #STモデル #STモ #雑誌 #ST を固定でつけています。その他投稿に関係あるハッシュタグもつけています。
投稿文は短く、あくまでも写真をメインにした投稿にしています。中学生や高校生が見る時間帯を狙って夕方に投稿しています。
ストーリーズ
1日に複数投稿し「上にスワイプしてST channelの記事に飛ぶ」もしくは「フィードを再掲する」ストーリーズを投稿して、フォロワーとの接触を増やしています。
リール
撮影のオフショットや自己紹介動画を中心に短尺の動画を載せています。
IGTV
基本的にはInstagram LIVEのアーカイブが残されています。投稿時の設定でフィードの方には表示しないことができるので、フィードの世界観を崩さないようにしつつリアルタイムで見ることができなかったフォロワーにもリーチしています。
Twitter: インプレッションを多くし、全ての入り口に
Instagram、YouTube、TikTokのリンクをbioに貼っています。投稿内容はST channelの記事やYouTubeの動画投稿に関して、所属モデルの個人アカウントとの交流や出演情報、などを発信しています。
Twitterはユーザー間での拡散や交流を生みやすいメディアなので、所属モデルなどのアカウントとの交流を通して新たな人にSeventeenを知ってもらうきっかけを作っていると考えられます。
また、140字だと伝えられる内容は少ないので、外部サイトに飛ぶリンクを貼ることでSeventeenが展開している他のコンテンツに誘導する形になっており、「入り口」の役割を担っていると言えます。投稿頻度を高くすることでインプレッションを増やし、積極的にフォロワーにアピールしていくことが大切です。
LINE: スマートにリマインドしつつ友達だけの特別感
適度な配信頻度を保ち、ファンにSeventeenの存在をリマインドしつつ、可愛いかつシンプルなサムネイルで伝えたい情報をぎゅっとまとめて送ることで、ファンの継続的な興味を惹くことができます。主にST channelの新着記事がまとめて送信されています。
また「回答が誌面になる」というアンケートが送られてくることもあります。公式アカウントと友達でいることで、自分が雑誌作りに貢献できる特別感を味わうことができるようになっています。
メニューからはTikTok、Instagram、Twitterに飛ぶことができます。また、送られてくるメッセージをタップするとST channelの記事に飛ぶことができます。
LINEは友達追加をしてくれた人に対してのみ発信するメディアなので、ファンが求めているものを提供し続けることでファン離れを防止していると考えられます。
TikTok: 短尺動画で出すトレンド感とまとめ感
ST channelのリンクをbioに貼っていて、Instagramにも飛べるようになっています。Seventeen所属モデルたちが流行りのTikTokネタに挑戦した動画や、撮影のオフショットを短くまとめたものなどを載せています。
ハッシュタグは #Seventeen #セブンティーン #STモ を中心に、その投稿に合わせたものを足しています。
TikTokは比較的新しいメディアでもあるので、トレンドに敏感な人が多く見ているメディアです。そのため、女子中高生のトレンドを発信するSeventeenのコンテンツに興味を持ち得る人が集まるメディアで、新たなファンを獲得する狙いがあると考えられます。
YouTube: 長尺動画でしか出せない「裏側」に密着
概要欄には雑誌を買ってもらうためのリンクが載せてあります。YouTubeに関しては他の4つのSNSとは少し性質が違い、YouTubeに載せた動画はそのままST channelの動画欄に埋め込まれる仕様になっています。YouTubeで動画を公開することでST channelのアプリをインストールしていない人にも、ST channelのコンテンツを見てもらうことができ、そこからそのまま雑誌の購買を促すことができます。
内容は撮影オフショットやYouTubeらしい企画動画、など、雑誌では画像でしか見られないモデルたちの動画を公開し、為人を知ってもらえるような動画を投稿しています。
YouTubeは長い尺の動画を投稿できるメディアなので、じっくり人やコンテンツの紹介をすることができます。そのため、モデル個人にファンがつくことや雑誌の裏側を紹介してさらに雑誌そのものに興味を持ってもらえるように投稿していると考えられます。
まとめ・応用
SeventeenのSNSの使い分け、いかがでしたでしょうか。雑誌そして所属モデルたちの良さを若年層に伝えるために、SNSをフル活用している事例をご紹介しました。
まとめると、
Instagram: 世界観重視でエンゲージメント率を高く
Twitter: インプレッションを多くし、全ての入り口に
TikTok: 短尺動画で出すトレンド感とまとめ感
LINE: スマートにリマインドしつつ友達だけの特別感
YouTube: 長尺動画でしか出せない「裏側」に密着
が大切であることが見えてきました。
これらのポイントを押さえながら、発信したい内容に合わせてSNSを使い分ければ若年層の目に届きやすくなるはずです。
ここで今までの内容を応用し、具体的にどう投稿していくと良いかの例を紹介します。
例① 雑貨店
Instagram: 綺麗な商品写真を1日に1回投稿
Twitter: 公式HPや他のSNSのリンクを載せて新着情報などを1日に複数投稿
LINE: 公式HPや他のSNSのリンクに飛べる画像や友達限定クーポンを週に1回送信
TikTok: 流行りの曲に合わせて商品紹介を短くまとめたものを週に1回投稿
YouTube: 商品チュートリアルや社員が選ぶ商品ランキングの紹介を週に1回投稿
例② 飲食店
Instagram: 店内写真やメニューの写真を1日に1回投稿
Twitter: 公式HPや他のSNSのリンクを載せて、その日の人気商品やスタッフのコメントを1日に複数投稿
LINE: 公式HPや他のSNSのリンクに飛べる画像や友達限定クーポンを週に1回送信
TikTok: スタッフやその場にいるお客さんを巻き込んでTikTok撮影をして週に1回投稿
YouTube: 料理のおすすめの楽しみ方やこだわりなどを撮影して数日に1回投稿
応用の事例を挙げましたが、SNS運用に割ける時間を考慮して取捨選択をしつつ、最も効率の良い方法を模索していくことで、若年層へのリーチも広げられるはずです。今一度SNS運用を見直してみてはいかがでしょうか。