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マーケティング戦略策定プロセスの基礎知識を解説【初心者マーケター向け】

MARKETING 2020.08.06

マーケティングを勉強したことがある方には、フレームワークやマーケティングミックスという言葉は馴染み深いかもしれません。

しかし、それらをどのような流れでどう活用すべきなのか理解している人は少ないようです。

今回はマーケティング戦略を立案する際のプロセスの全体図を提示し、解説していきます。


マーケティングとは

最初にマーケティングの定義を確認しておきましょう。

日本マーケティング協会は、「マーケティング」を

「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」

と定義しています。

また、全米マーケティング協会は

「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値ある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである」

としています。


消費者に商品やサービスを購入してもらうための仕組みを作ること と言い換えれば想像しやすいでしょう。

マーケティング戦略を立てるには、顧客を理解しなければなりません。
マーケティングは製品ありきのセリングとは異なるので、市場や顧客ニーズを考えてからスタートすることで、顧客満足に基づく利益を得ることができます。

企業はマーケティング戦略を立てると、リピート購入や口コミ投稿をしてくれる消費者を獲得でき、長期的に見ると費用対効果の上昇が期待できます。


マーケティング策定プロセスの体系図

続いて、マーケティング戦略策定のプロセスを確認していきます。

図に表すと以下のような流れになります。

マーケティングプロセス

それぞれどのような役割があるのかみていきましょう。



外部/内部環境分析

戦略を立てる前に、社会情勢や競合状況などの外部環境と、自社製品の強みや弱みなどの内部環境を把握することが大切です。
自社の戦略的課題を明確にすることができ、目指すべき方向性が明らかになるからです。
また、新たな市場機会の発見に繋がることもあります。


ここでは、環境分析でよく使用されるフレームワークを紹介します。

分析を行う際、表面だけに囚われて誤った企業を競合として認識してしまうケースが多くみられます。
顧客の潜在ニーズを把握し、同じ商品やサービスを提供している企業だけが競合なのかしっかり判断しましょう。


・3C分析
【Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)】

取り巻く環境を包括的に抜け漏れなく把握できることから、頻繁に用いられる手法。

・SWOT分析
【Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)】

外部環境と内部環境をそれぞれプラス要因とマイナス要因に分けて理解する手法。

・PEST分析
【Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)】

マクロ環境分析とも呼ばれる。
自社ではコントロールできない要因を確認できる手法。


環境分析は新規参入するときにのみ行うものだと思いがちですが、既存事業でも見直しのために定期的に行うとよいでしょう。



セグメンテーション

同じ性質やニーズ、価値観を持つ人々を分ける作業のことで、市場細分化とも呼ばれます。

具体的には、
・人口動態変数
・地理的変数
・心理的変数 
・行動変数

などを用いてユーザーを分け、自社製品と親和性の高い顧客を分析します。
その顧客群にアプローチすることで、顧客満足度をより高めることができるのです。
企業の経営資源やコストの面からみても効率的です。



ターゲティング

セグメント化された市場の中で自分たちの狙う場所を選ぶことを、ターゲティングといいます。

分析の際には、6Rと呼ばれる指標を使います。

・Realistic Scale(規模)
・Rate of Growth(成長性)
・Rival(競合状況)
・Rank(顧客の優先順位)
・Reach(到達可能か)
・Response(反応は測定可能か)

セグメンテーションの軸は企業の内部環境に依存します。
限りある経営資源を有効活用できるよう、多様な軸をバランスよく検討することが大切です。



ポジショニング

ポジショニングとは、ターゲットの頭の中に自社の商品やサービス独自のボジションを築く活動のことです。

消費者に商品やサービスの魅力を認知してもらい、他社との差別化を図るために重要なプロセスだと考えられています。

ポジショニングをするときは通常、以下のような2軸のマップを使います。

ポジショニング

軸にはその商品やサービスを購入する際の判断基準となる要素を設定します。
特徴を大量に挙げるのではなく、2点に絞ることがポイントです。
ひとつの事柄に関して、人は2要素までしか認識できないといわれているからです。



マーケティングミックス(4P)

具体的なマーケティング施策を考えるために、様々なツールを組み合わせてその施策に抜け漏れがないか確認をします。

そこでよく使われるフレームワークが4Pと呼ばれるものです。


Product(商品):商品の価値、パッケージ、サービス、ブランディングなど
Price(価格):原価率、顧客の許容金額、支払い方法など
Place(流通):チャネルの長さや幅、棚の獲得など
Promotion(広告):広告のクリエイティブ、媒体選定など

4P分析を行う際には一貫して顧客思考で施策を決定すること、もしくは見直しをすることがとても大切です。


今回は、マーケティングの基礎知識としてマーケティングプロセスを紹介しました。
全体の流れ、そしてそれぞれの要素の位置付けは理解していただけたでしょうか。

今後、それぞれの要素を事例を用いて、マーケティングプロセスをより詳しく説明する記事も掲載予定です。
ぜひチェックしてください。