音声メディア(音声コンテンツ)とは?種類、市場規模、人気の理由と将来の可能性
YouTubeをはじめとする動画メディア市場が成熟しつつある昨今、新たな潮流として、音声メディアに注目が集まっています。
旧来、音声メディアの代表格といえばラジオでした。
ところが今は、ひとくちに音声メディアと言っても、インターネットラジオやポッドキャスト、オーディオブック、音声アプリと、様々なサービスが生まれています。
音声メディア・音声コンテンツとは一体何なのでしょうか。なぜ今、音声メディアが勢いを増しているのでしょうか。
音声メディアの特徴や、国内市場の現状とその背景、将来性を探ってみましょう。
音声メディア(音声コンテンツ)とは
音声メディアとは、文字通り音声を使って情報を発信するメディアのことです。
音声配信サービス、音声コンテンツ、ボイスメディアなどとも呼ばれます。
音声メディアの代表格はポッドキャストです。ポッドキャストとは、RSSを通して音声コンテンツをインターネット上に公開する仕組みのことです。
代表的なものでは、ApplePodcastやGoogleポッドキャスト、Spotifyなどが、この配信形式をとっています。
音声メディアの種類
ポッドキャスト以外にも、音声メディアには様々なカテゴリがあります。
ここからは音声メディアを大きく4種類に分け、それぞれの特徴と、代表的なサービスを紹介していきます。
ポッドキャスト
ポッドキャストは、様々なオーディオや番組を、インターネットを通して視聴することができるサービスです。
配信されている内容も英会話やニュース、ドラマなど多岐に渡ります。
最近では、Apple PodcastsやGoogleポッドキャスト、Castbox、Spotifyなどのプラットフォームが人気を博しています。
音声配信サービス
音声配信サービスとは、文字通り音声コンテンツを配信できるサービスです。
これを使えば、企業や個人が音声番組を配信することができます。
voicyやstand.fm、SPOONなどが分類されます。
インターネットラジオ
ラジオ局が、FMではなくインターネットでラジオを配信するサービスです。
機能面では通常のラジオと大きく異なる点はありませんが、パーソナリティの動画や静止画が付く場合もあります。
オーディオブック
オーディオブックは、本を朗読した音声を聞くことができるサービスです。
ユーザーは、文字を読まずとも読書を楽しむことができます。
Audibleやaudiobook.jp、LibriVoxなどが有名です。
拡大を続ける音声メディア市場
日本国内の音声メディア利用者規模
日本国内で音声メディアが台頭し始めたのは、2018年前後。
先に例示したサービスの中にも、利用者数をわずか数年で数十倍に伸ばしたものもあります。
2018年のデータでは、16〜69歳男女のうち、インターネットラジオ(radiko)の利用経験者は37.8%でした。加えて、26.3%の人が「動画よりも、音声・音楽コンテンツに費やす時間の方が長い」と答えています。
また、2019年7月時点でのユーザー数は、radikoが約7,340,000人、Audibleは約279,000人、voicyが約96,800人でした。
主要サービスだけを見ても、もはやマイナーコンテンツとはいえない数の利用者を獲得しているのです。
成長し続ける音声メディア市場
世界的に見ても、音声配信サービス市場は成長し続けています。
この世界地図は、人口に対して「少なくとも月に1回は音声配信サービス(ポッドキャスト)を聴いているユーザー」の割合を示しています。
米国で26%、中国は29%と、すでに大きな成長がみられます。
特に米国では、音声配信サービスが急速に普及しています。
同国の音声メディア利用経験者数は、2019年に12歳以上の51%、1億4,400万人に達しました。この数字は年々増加し、2020年には人口の半数を超えています。
同レポートでは、12〜24才は月間91%、25〜54歳は月間74%、55才以上でも月間40%の人が、前月にオンラインで音声番組を聴いたと答えています。
出典:https://www.edisonresearch.com/infinite-dial-2019/音声メディア市場の成長は、今後も世界規模で続いていくと予想されています。
特に、音声メディアが普及し始めたばかりの日本は、かなりの伸び代を持っているといえるでしょう。
なぜ、音声メディア市場は成長し続けられるのか
音声メディア市場が成長を遂げた原因の一つに、ハードウェア市場の成長が挙げられます。
スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなどのデバイスが発達したことで、「音声」が人々の生活に馴染むようになったからです。
音声メディアは、運動をしながら、料理をしながらなど、「ながら視聴」されることが多いといいます。
これは、ユーザーの動きを妨げないワイヤレスイヤホンやスマートスピーカーが一般に普及しなければ、なし得ないことでした。
動画と比べても、音声メディアは「ながら視聴」に向いています。
ユーザーの「耳の可処分時間」を増やすことができるため、忙しい現代人には魅力的なサービスです。
スマートスピーカーの売り上げは2021年にはタブレットをも抜くといわれており、音声を聴くためのデバイスには今後もさらなる発展が見込めます。
これらのデバイスが発達するにつれ、音声メディア市場も成長し続けることは、過去の流れから容易に想像できます。
音楽配信サービスなどが普及したこととも相まって、「音声」は今後ますます人気を集めていくことでしょう。
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