HOME MEDIA 時代はオンライン広告という訳でもない?!SNSで拡散されたオフライン広告を徹底解説!

時代はオンライン広告という訳でもない?!SNSで拡散されたオフライン広告を徹底解説!

MEDIA 2021.11.30

企業がサービスや商品を世の中に広く認知させる為に掲載する広告。 大きく分類すると、オンライン広告オフライン広告があります。

オンライン広告…Web上で表示される広告。

オフライン広告…インターネットを使用しない広告。新聞、テレビや看板広告など。

ターゲットの選定、訪問者や購入者等のデータの可視化などができるオンライン広告はデジタルの時代の今盛況していますが、そんな中でもオフライン広告はたくさんの可能性を秘めています。

SNSへの写真投稿拡散を前提としたオフライン広告

オフライン広告といえば、街中で偶然見かけたり、テレビCMで流れてきたりなど、以前は企業から消費者への一方通行のアプローチで終わるものがほとんどでした。

しかし、今はSNSの時代。広告を見かけた人が写真や感想をSNSに拡散することにより、広告を見た人以上のリーチを間接的に狙うことができます。

この記事では、そんなSNSによって拡散されるオフライン広告を、いくつかの種類に分けて紹介します!

<メッセージ広告>

・受験生へのメッセージ

明治「明治プロビオヨーグルトR-1」が受験シーズンに合わせて渋谷駅前と東京メトロ銀座線・丸ノ内線の車内で展開した広告。受験生あるあるが堂々とデザインされており、商品の写真は控えめに小さく添えてあります。「受験」という多くの人が通ってきた道をテーマとしているからこそ、受験生ではない大人からも共感を得ることができます。SNSを中心にがこれが話題となり、多くの感想が寄せられました。

https://news.nicovideo.jp/watch/nw8887801

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2102/04/news147.html

https://twitter.com/tokyo_bousai/status/1356899862738952194?s=21

東京都防災(@tokyo_bousai)が外出自粛呼びかけの様子を投稿したツイートでは、画像の後方に写る「墾田永年私財法」の文字が引用リツイートやリプライで話題になりました。

・話し言葉で訴えかけるメッセージ

アーティスト AI(アイ)さんの新曲世界同時配信の告知広告。「割とマジで困ってますw」という広告では珍しい口語調のメッセージを皮切りに、自身と同じ名前を持つ人工知能「AI」への困惑の念を訴えかけています。

https://www.google.co.jp/amp/s/www.advertimes.com/20190521/article291218/amp/ https://www.oricon.co.jp/news/2135696/photo/5/

インパクトのある短文メッセージ。対照的に文字が細かく羅列された長文メッセージ。この2つの共通点は受け手の解釈が必要であることです。広告が何を伝えたいのか、解釈の余地があることで「他の人にも共有したい」という衝動が生まれます。

<駅構内を埋め尽くす広告>

・人気ユーチューバーの交通広告ジャック

出前館の広告では、人気の動画クリエイターHIKAKINさんとはじめしゃちょーさんを起用。渋谷、池袋、新宿、横浜、川崎など首都圏で大規模な交通広告をジャックしています。

デジタルサイネージ広告、トラック広告、車内広告など、様々な種類の広告は通行人の印象に強く残ります。

新宿のプラットフォームをジャックしている様子。

https://media.bizpa.net/case/post68.html

HikakinTVでは、広告撮影の舞台裏の様子を公開。 2021年11月30日現在、再生回数は308万回に達しています。

https://youtu.be/3NZno885v0A

<応援広告>

・日本でも広まる応援広告

応援広告とは韓国発祥の広告文化で、芸能人を応援する為にファンが有志で出稿します。

肖像権に厳しい芸能事務所が多い日本ですが、オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」が「応援用素材」としてアイドル練習生の写真を配布したことをきっかけに応援広告が広まりました。

まだまだ物珍しい誕生日のお祝い広告などは、広告目当てで訪れたファンだけではなく、通りがかっただけの人の目にも止まります。

https://shunkosha.co.jp/howto/hw001 https://www.sogohodo.co.jp/special_event/6670/

参考(https://toyokeizai.net/articles/-/318995 )

・付箋広告

ファンの人たちが現地でメッセージを書いた付箋を貼り付ける、参加型の広告です。応援メッセージを書くため、写真を撮るために広告目当てで訪れるファンも多く、大量の付箋が付いた広告は熱気も伝わりやすいです。

https://space-media.jp/news/detail/2070/

ファンが認証ショットと共に投稿したツイートには約1500件のいいねがついています。

アイドルのファンダムは、応援広告の掲載だけでなく、トレンド入りを目指すハッシュタグイベントを開催するなど、Twitterでの拡散力も強いです。

〜ハッシュタグイベントの一例〜

#宇宙にTAKE_OFF_INI

2021年11月にデビューしたボーイズグループINIのファンダムがデビュー記念に企画したこのハッシュタグは、世界トレンド、日本トレンド共に1位を獲得しています。

他にも、推しグループのメンバーの誕生日にはオリジナルのハッシュタグを作成してお祝いするファンが多いです。

このように、団結力、拡散力の強いアイドルのファンダム。

公式の広告、応援広告に関わらず、広告を見つければ「認証ショット」撮ってSNSに投稿、拡散されます。ファンによる拡散は、強い影響力となっています。

<新聞広告×SNS>

ステイホームを呼びかける企画「STAYHOME with newspaper」の一環として岐阜新聞に掲載された広告。

水玉模様のイラストが11個並んでいて、一見何の意味もないイラストのように見えますが、紙面から2メートル以上離れてみると「離れていても心はひとつ」という文字が浮かび上がります。

新聞の写真を投稿したツイートは11.2万RT32.6万いいねされました。

読まれる可能性が高い新聞広告、インパクトを狙うことで普段新聞を読まない層へのアプローチも可能です。

https://www.lafayettecrew.jp/blog/離れていても心はひとつ/

<観光スポットになる広告>

・3D動画広告

新宿3丁目のビルの屋上に登場した、3Dで視聴できる大型ビジョンです。

最新技術を使った3D動画は、奥行きの再現が強く、まるで本物の猫がそこにいるかのようなリアル感、臨場感を感じることができます。

SNSで反響があっただけでなく、海外のメディアでも紹介され話題になりました。

香港のメディア「South China Morning Post」がYouTubeに投稿した動画は、2021年11月現在69万回再生されています。

https://www.youtube.com/watch?v=DdDPmJ5PbLg

公式Twitter「新宿東口の猫」(@cross_s_vision)は、ビジョンに映る猫が日常を呟くアカウントです。

フォロワーは3万6千人、ほとんど全てのツイートに1000以上のいいねがついています。

https://twitter.com/cross_s_vision?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

・グリコ看板

1935年に道頓堀に設置されたグリコのネオンサインは、それ自体が観光スポットとなっています。

思わず写真を撮りたくなる長く親しまれ続ける広告は、デジタルの時代になってSNSにも投稿、拡散されるようになりました。

Instagramでの関連タグ #グリコ看板、#グリコの看板、#グリコポーズ などの総投稿数は、4万件以上に昇り、看板の前でポーズを撮った写真が多く投稿されています。

参考(https://www.lion-novelty.com/blog/b00014/ )

このようにひと目で人を惹きつけ、訪れた人々を楽しませるエンターテイメント性に満ちた広告は、SNSの時代になってからさらに拡散力が高まり、現地に行ったことない人でも知っているような看板スポットになりやすいです。

あえて静止画に?

動画広告を流すための大型ビジョンでは、写真でとらえるのが難しい動画ではなく静止画を採用する広告が増えています。十数秒間静止画を映し続けることで撮影しやすい状況を作ることができます。

写真を撮られ、SNSで拡散されることを前提に広告を作成することが一種の戦略となってきているようです。

まとめ

近年デジタル化が進みオンライン広告の方が認知力が高く、取り入れる企業も多くみられますが、オフライン広告を有効的に活用して、オフライン上でも拡散させる仕掛けをしている企業も見受けられます。一見オンライン広告より手間がかかり、拡散力も低そうに見えるオフライン広告ですが、インパクトを狙えば、一気にSNSで拡散され、多くの人の目に触れられる可能性を秘めています。

また、今回紹介したSNSでの拡散以外にも、伝えられる情報量が多い競合が少ないエリアターゲティングがしやすいなどオフライン広告ならではのメリットも多く存在します。

緊急事態宣言が明け、少しずつ街に人々の活気が戻ってきた今、不特定多数の人々の目に触れやすく、拡散されやすいオフライン広告はさまざまな可能性を秘めているのではないでしょうか。

参考

https://markezine.jp/article/detail/37176 https://markezine.jp/article/detail/37658?p=3 https://sc-sv.com/column/offline-ad