HOME TREND ググるのはもう古い?Z世代はSNS検索・おすすめ・口コミ情報も参考に情報収集していることが判明!

ググるのはもう古い?Z世代はSNS検索・おすすめ・口コミ情報も参考に情報収集していることが判明!

TREND 2021.10.08

デジタルネイティブである「Z世代」に対するマーケティングにおいてインターネットの利用は欠かせません。できるだけインターネット上でたくさんの人に興味を持ってもらえるように、見やすい公式サイトを作ったり、ネット広告を利用したり、企業公式SNSアカウントを運用したり、といった工夫を凝らしている企業も多く存在します。

しかし、情報で溢れている現代社会において、そもそもZ世代はどのように自分にとって必要な情報とそうでない情報を取捨選択し、目当ての情報にたどり着いているのでしょうか。そして、その得た情報をどのようにして購買に活かしているのでしょうか。

ターゲット層がどのようにしてその発信された情報にたどり着いているかを知ることは、効率の良くより多くの人に興味を持ってもらえる施策を打ち出すに当たって必要不可欠です。

この記事ではZ世代の「情報収集」について紐解いていきます。

目次
①Z世代と検索
②Z世代とおすすめ機能

①Z世代と検索

~能動的な情報収集と比較検討の文化~

インターネット慣れしているZ世代の「検索」という行為に対するハードルが低いのは容易に想像できるでしょう。何か気になることがあった際どういう行動を取ることが多いかと尋ねた調査では、67.7%が「ブラウザで単語検索する」、次いで31.3%が「SNSで単語検索する」ことがわかっています。
(参考:Z世代が普段利用するSNS 「Instagram」や「Twitter」を抑え1位になったのは?)

また、20代を対象にした調査では、約2人に1人はブラウザ検索をしているときに、同時にTwitter・Instagramも使っていて、約4人に1人はブラウザ検索と同時にLINE・Youtubeを使っていることがわかっています。

ブラウザ検索派とSNS検索派がいるわけではなく、同時に様々な検索方法を行き来し媒体ごとの違いを駆使して求めている情報にたどり着くのが主流だとわかります。
(参考:「検索離れ」は本当? データから浮かび上がる若者の意外な検索行動 | デジノグラフィ | 生活総研 | Diginography)

では、検索をした後Z世代はどのような行動を取り、購買にまで至るのでしょうか。

検索した後何かの購買にまで至る場合の動機については、他の世代と同様「ネット上で偶発的に発見したものを購入する」が最も多く42.9%でした。
次いで多かった「ネット上で他人がおすすめしていたものを積極的に購入する」は38.7%と、他の世代とは9.3ポイント差をつけて口コミが重要だという結果が出ています。
(参考:Z世代「ネット上の口コミ」で購入する人38.7%、ミレニアル世代・X世代より約10ポイント高い結果に)

Z世代は「検索する」という行動に慣れており、何かをネット上で購入する際は溢れている情報の中から目当ての情報に能動的にアプローチし「偶発的な出会い」を探しにいきます。そして他の世代より「他人の生の意見」を重んじ、口コミを参考に比較検討することで購買に至ります。

Z世代の検索行動のイメージはつきましたでしょうか。
ここからは複数業界を例に取り、さらにZ世代の情報収集について見ていきます。


・アニメ 視聴に至るまで

Z世代が新しく見るアニメを探したり放送予定のアニメなどの情報収集をする際に用いられている手段を調査したところ、84.5%がTwitter、次いで68.1%の人がYouTubeを用いていることがわかりました。

また、アニメの視聴方法ではNetflix等の動画配信サービスを使う人が45.9%と、視聴方法として最も主流であるにも関わらず、情報収集の手段として動画配信サービスのリコメンドを利用する人は17.4%に留まっていることがわかっています。

Z世代にとって、TwitterやYouTubeで発信される視聴者の生の意見を自分で目で確認し、自分が見るアニメを決めていると言えます。

(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000023974.html?fbclid=IwAR09IaO8m5iI8rMcgeQJ9OSfCH2iOnSp8Ersw3V_lUleBVDtKvgqMgx-0x4)


・美容 化粧品や服を買うまで

Z世代は化粧品や服など美容関連の物の情報収集をする際「口コミ」を大事にします。

口コミを知りたい時に利用する媒体を尋ねた調査で「口コミを特に調べない」と回答した人はコスメが2.0%、ファッション関連商品が7.4%であり、ほとんどの人が商品の購入を検討するために口コミを探していることがわかります。

この調査で、口コミを知りたい時にコスメは61.4%、ファッション関連商品は65.3がInstagramで検索することがわかりました。

身につける物であるからこそ、画像と文字両方による情報を得られるInstagramを用い、様々な人が投稿した口コミを参考に購入するものを選んでいると考えられます。

(参考:「売り切れ前に買わなくちゃ!」 Z世代女子を中心に巻き起こっている「バズ消費」とは? | ウェブ電通報)


・飲食店 店舗に訪れるまで

この調査で、飲食店を探したい時は全てのシーンにおいてInstagramを利用することが最も多いことがわかりました。

また、アニメや美容関連の情報に重宝されていた「口コミ」は約20%と少ない結果となっています。これは上記二つとは違い、飲食店は大幅に求めていたものと違うものに時間やお金を費やす可能性が低いからだと考えられます。

(参考:Z世代女子が、 ”お気に入りの飲食店” に出会うまでの行動が判明!Trend Catch Projectが「若年層女性の飲食店利用に関する調査」を実施)

②Z世代とおすすめ機能

~情報過多による疲れとパーソナライゼーションの発展~

これまでZ世代にとっての情報収集の大切さを述べてきました。実際大切ではあるのですが、新たな傾向がZ世代に見られていることもわかっています。

ネットで情報を得る際に「自分で情報を調べること」と「おすすめを見る」のどちらが多いかを調べた調査によると、「おすすめを見る」ことの方が多い割合が他の世代に比べて高いことがわかりました。

SNSでの口コミ検索などの能動的な情報収集文化そのものはZ世代に強く見られたのですが、他世代の情報収集をしている人と比べると若いZ世代の方がおすすめ頼りになっている割合が高い、すなわち受動的な情報収集に魅力を感じるのもZ世代であることがわかります。

Z世代は他世代に比べて情報収集を行うことが「面倒・負担に感じる」割合も高く、年齢が若いほど本当に必要な情報の取捨選択に疲れてしまっている現状が浮かび上がりました。

おすすめ機能はパーソナライズに基づき勝手に自分が興味ありそうなものを提示してくれるため、自分からわざわざ検索しにいかなくてよくなり、感じていている負担を減らしてくれる画期的なシステムです。

デジタルネイティブだからこそ感じている「情報収集の負担」を軽減するために、これからもっとおすすめに頼るところは頼る方向に向かっていくことが予想されます。

まとめ

様々な事例より、Z世代は自分が知りたい情報に適した媒体で能動的に検索をし、必要な場合はそこで掲載されているリアルな他人の意見を吸収することで、購買などの決断に至るということが分かりました。

その一方、消費者はたくさんの情報の中で疲れてしまい、受動的におすすめやパーソナライズされた情報に頼る人がどんどん増えていくと予想されます。

これから企業は、より一層消費者に「おすすめ」される形で情報をアップすることや、情報を探すのが負担にならないようなパーソナライズの提案をすることが求められてくるでしょう。