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自治体の若年層(Z世代)に向けた広報戦略と課題

PROMOTION 2020.07.01

SNSの登場と共に、プロモーションの手法は多様化しています。

この流れに乗った地方自治体も、堅いイメージや新しい取り組みに消極的な印象から脱却し、若年層のカルチャーに合わせた手段をとるようになりました。

本記事では、自治体の広報活動の新しい取り組みを紹介した後、今後さらに様々な方法を取り入れるにあたり、考えるべき課題を提示します。

自治体の広報活動の事例

まずは自治体が実際に行ったイベントを紹介します。

佐賀県「サガプライズ!」

 

「サガプライズ!」とは、企業やブランドとコラボレーションし、佐賀県の魅力を発信するプロジェクトです。

その活動から得た知見や手法を地域にフィードバックすることで、“情報発信による佐賀県の地方創生”を目指しています。

同プロジェクトでは多数の人気アニメとコラボしており、様々な企画を実施しています。


【コラボ一覧】

・おそ松さん

https://sagaprise.jp/project/project013/1170

・ユーリ!!! on ICE

https://sagaprise.jp/project/project015/1418

・ポケットモンスター ニャース

https://sagaprise.jp/project/project018/1859

・銀魂

https://sagaprise.jp/project/project021/2164


サガプライズ!公式サイト:https://sagaprise.jp/



佐賀県「SAGA OTAKU GUIDEBOOK」

また、佐賀県では10~40歳代の4割以上(2012年3月5日電通調べ)である、ポップカルチャーを好む人々をメインターゲットとするガイドブックも創刊しています。 佐賀に根付くポップカルチャーコンテンツ、アクティビティ、スポット等を紹介することを目的としており、2019年から始まりました。


佐賀県公式サイト:http://www.pref.saga.lg.jp/



石川県加賀市「加賀アオハルキャンペーン」

加賀市は、19歳~22歳世代の若年層をターゲットに、加賀の魅力発見やファン作りを目的とした「加賀アオハルキャンペーン」を開始しました。

具体的には、19歳~22歳限定でグルメ、観光、体験、宿泊などに利用できる特典付きプランの提供を行いました。


【キャンペーン名称】
加賀アオハルキャンペーン
【実施期間
2019年8月1日(木)~2020年3月31日(火)
【対象年齢】
19歳~22歳(1997年4月2日~2001年4月1日生まれ対象)
【キャンペーン内容】
19歳~22歳世代限定のグルメ、観光、体験、宿泊で利用できる特典付きプランの提供。

加賀アオハルキャンペーン特設サイト:https://www.jalan.net/jalan/doc/news/button/0900231901/

加賀市公式サイト:https://www.city.kaga.ishikawa.jp/



鳥取県×Twitter Japan

鳥取県は「世界絵文字デー」に合わせて、Twitterと共同でイベントを実施しました。

これは、Twitterの「ハッシュフラッグ」という機能を使用しており、Twitterで、「#絵文字」「#鳥取県」など、8種類のハッシュタグをつけてツイートすると、文字の後ろに県鳥の「おしどり」の絵文字が自動で表示されるというものです。


【実施期間
2019年7月17日(水)~31日(水)
【対象のハッシュタグ】
「#鳥取」「#鳥取県」「#おしどり」「#絵文字」「#世界絵文字デー」「#Emoji」「#WorldEmojiDay」「#絵文字で鳥取県」


勝手に「#絵文字で鳥取県」キャンペーンサイト:https://www.pref.tottori.lg.jp/286377.htm

鳥取県公式サイト:https://www.pref.tottori.lg.jp/



愛媛県「まじめえひめ」

愛媛県では、街の魅力を発信する「まじめえひめ」プロジェクトの一環として、人気アニメ「進撃の巨人」とのコラボ企画、「進撃の巨人×まじめえひめ」デジタルスタンプラリーを県内で開催しました。


【実施期間】
2019年4月27日(土)~6月30日(日)※3期に分けて実施
 第1期 中予エリア:4月27日(土)~5月19日(日)
 第2期 東予エリア:5月20日(土)~6月 9日(日)
 第3期 南予エリア:6月10日(月)~6月30日(日)
【スポット】
・常設スポット
 愛媛県庁、松山城(ロープウェイ乗り場東雲口駅舎)
・移動スポット
 中予エリア: 道後公園(松山市)、とべ動物園(砥部町)
 東予エリア:サンライズ糸山(今治市)、総合科学博物館(新居浜市)
 南予エリア: 宇和島城(宇和島市)、歴史文化博物館(西予市)
【参加方法】
・県下各地のスポットに設置されたのぼり旗に記載されているQRコードを読み取り、キャラクタースタンプを取得
・4箇所中3箇所のスタンプ取得で、限定ステッカー(ノーマルVer.)と交換
・さらに、SNSで「#まじめえひめ」を付したスポットの写真を投稿すると、別バージョン(チビキャラVer.)のステッカーと交換可能


まじめえひめプロジェクト公式サイト:https://majime-ehime.com/

愛媛県公式サイト:https://www.pref.ehime.jp/


自治体の広報の課題

ここまで様々な自治体の新しい取り組みをみてきました。
どの自治体も街を上手に発信し、SNSなどで話題になっています。

しかし、自治体には新しいPR方法を採用するにあたって、考えなければならない課題があります。


1.情報発信をする環境が整っていない

積極的なPR活動をしたいと考えている自治体は多いですが、媒体の特徴や配信後の分析に詳しい職員はほとんどいません。

そのため、ケースによっては外部業者に委託しなくてはならず、多額の資金が必要になります。

広報担当者は、情報発信に関する知識を増やすこと、自治体には広報に関する費用の割合に柔軟性を持つことが求められます。


2.プロジェクトの持続性がない

一度きりで終わるプロジェクトが多いことも大きな課題です。

自治体の取り組みはSNSで広がり、話題になることが多々あります。しかし、盛り上がるのは一瞬のみで、すぐに消息してしまうことが多いのが現状です。

プロジェクトを計画的に継続して行う体制作りが重要なのです。


3.住民に還元できるまでの効果は得るのは難しい

自治体の広報活動をする際は、街のPRをすることで街が活性化し、住民に還元するという仕組みを作ること望ましいです。

しかし前述の通り、自治体のPRプロジェクトは、話題になるだけで終わってしまうケースが多いため、観光客の飛躍的な増加や、ふるさと納税の増額に効果がみられた自治体はごくわずかです。

ただし、広報の費用対効果が10億円以上と言われる自治体も存在します。成功事例を参考に、内容や進行の決定を行うのが良いでしょう。


今回は、地方自治体の広報に関する新しい取り組みと課題を見てきました。
自治体のPR活動は、コラボレーションイベントや限定プランの提供、SNSを活用したものと様々でしたね。

紹介した成功事例を参考に、それぞれの街に合ったプロジェクトを計画しましょう。